第22回公演『素人』 公演情報 劇団天然ポリエステル「第22回公演『素人』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     寂し部ファイナル、ということもあって敢えて明るい作り。スラップスティックな手法が利いている。(追記2017.12.8 1:33)

    ネタバレBOX

     かぐや姫、人魚姫、眠れる森の美女、シンデレラなど5人の姫が、王子を追う、という設定で展開することになる。寂し部恒例の、遅筆・柳にまたしても難題が降りかかった! 次回演目のヒロインがドタキャン、公演が危うくなったのである。代役を立てるにしろ、柳の仕事ぶりを知っている劇団員は、気が気ではない。早速、代役手配に掛かるが唯一OKをくれた女優の所属事務所からは条件が付いた。1週間以内に脚本を先方に渡すという条件である。当然、柳は缶詰に。だが、いつもの伝で柳は自由が無いと書けない。それで缶詰の見張りの目を盗んでまんまと脱走に成功、飲みにゆくが。
     王子らしき登場人物が独りしか居ない作品に登場させられた姫たちの競争は熾烈である。王子と結ばれなければ自分達の生きている意味は無いとの固定観念に縛られた姫たちはあの手この手を用いで王子を探し、アタックを掛ける。その争奪戦の凄まじいこと! 
    而も物語の登場人物の中に王子的人物が独りしかおらず、作家を拉致って王子の数を増やせば良い、ということにメタ視点で気付いてしまった姫たちは、柳を拉致、締切迄唯でさえ時間が無い作中では現実世界の寂し部スタッフを大慌ての大騒動に走らせる。この辺りの事情も当然スラップスティックに描かれて、矛盾も深く追求されぬようスピーディーな動きとスラップスティックな手法で乗り切り、寂し部ファイナル公演の淋しさをまぎれさせてくれる。最後の最後には、姫たちも、自分の存在の求める者を連れ合いにするば良いことに気付き、メデタシ、メデタシということになるのだが、この過程を楽しみたい。

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    2017/12/01 13:04

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