満足度★★
松雪泰子さんを観に天王洲アイルまで行ってきました。チラシを読むと何か奇妙なことが行われるようで地雷臭が漂いますが冒険してみました。
縦横高さそれぞれ2メートルほどの部屋が一階二階にそれぞれ5室あります。そのうち7つの部屋に一人ずつ女優さんがいらして、交代しながらネリー・アルカンの著作の一部を断片的に語りつつ、ある程度の演技を行います。各部屋は異なった心の状態を表しているようで内装がまるで違います。
単調な音楽をバックにマイクを通したフィルターのかかった声、これはまるで何かの秘密の儀式です。不思議なのは、私だけでしょうが、言葉を聴いて覚えようとしても次の瞬間にはもうすっかり忘れていることです。
唯一得たものは、不思議な舞台を観た経験というか免疫です。もっと小さい劇場で地声でやっていただければ私の心にも少しは届いたのではないかと思います。
チラシに嘘はないし、目的の松雪さんも見られたので星は2つです。ネリー・アルカンという人に興味を持っていてすでに本も読んでいるという人や、変わった舞台が好物という人のためのものでしょう。
会場の銀河劇場は横に広がりすぎの感じがします。座席はほんのちょっと狭いですが前後の間隔は適切です。困ったのは客席入口までの螺旋状の階段です。段数も多く、直線状でもつらいのに曲がって行くのですから、年寄りには苦しいものでした。