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くじらと見た夢
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公演情報
燐光群「
くじらと見た夢
」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10434)
満足度
★★★★★
鯨は起きていないと死んでしまうから、
ネタバレBOX
右脳と左脳を半分づつ使って生涯、起きている。そんな鯨のどちらの脳が起きている時が現実で、どちらの脳が寝ている時が夢なのか? その境界領域が在るのか無いのか、鯨ならぬ我々ヒトには類推するしかないのではないか? その半生を鯨への共感と共に意識的に歩んできた筆者が、沖縄名護、宮城鮎川、レンバダ島ラマレラ、和歌山太地を総括する作品。無論、沖縄では、普天間から辺野古への200年耐久の「米軍基地移設」という名の二重植民地化固定策動に嫌も応もなく関わらざるを得ない沖縄民衆の複雑な利害や思い、日本政府による新たな琉球処分問題などが、それと理解できる形でキチンと提示されると同時に、先に挙げたような生命体としての鯨の生存様態とその高い知的能力に関しての人間の勝手な解釈などの曖昧性を利用した、地球は誰のものか? に関する問いを孕んで物語は展開する。
鯨の話と並行して辺野古に海に生息していたとされる3体のジュゴンを含めての話では、地球環境破壊のメルクマールとして、またマーメイドのモデルとされるその知られざる生態に関わる夢として、更にはあらゆる生命の母、海の象徴とし、海の男に現れるニライカナイからの使いとして、夢と現のたおやかな繋ぎ手としての女性も描かれている。
そのことと、命を的に漁る漁師と鯨の戦いと漁価、浜に集まる女たち、そしてこれら総ての要素によって構成される持続可能な社会体制が提示され、その危機が描かれると同時に、終末時計を観客が自分の想像の中に設定するなら、目前に迫った終末をも同時に見ることができる。その上で、今作は、ディストピアを如何に生き延びるか? その方向を示して幕を閉じる。坂手氏渾身の作、必見!
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2017/11/18 05:32
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