期待度♪♪♪♪♪
神戸生まれの自分は、東京という田舎者の集まりが
ある意味苦手である。ソフィストケイトされていない
からである。その点、神戸は規模こそ小さいが、都会である、
無論、東京でも江戸っ子は大好きだし、新宿のようなぐちゃぐちゃを
経験して生きている街も大好きである。要は度量の問題なのだ。基本的に
都会は、新参者に優しい。この定義が守れないようでは、都市としての
堕落を意識するが良い。この物語が事実に基づいているのか否かを自分は
知らない。ただ、自分の生誕地から推測できるように自分は西の人間である。
自分は、阪神淡路大震災が起きた時、フランスで生活していて、仲の良いドイツ人
から、そして、東京に住んで居たライター仲間からこの地震に関する詳報を受け、
対応に駆けずり回った。無論、日本に戻れた訳ではない。国際電話をかけまくって
ヨーロッパの人々から、日本政府の対応に対する疑問を突き付けられて、その不自然な
対応を説明する為に四苦八苦していた。日本政府を庇うつもりはない。ただ、何故、あのように
頑なに海外からの人道援助を拒むのかについて、自分だったら個人的には有難くお受けするのに、
そう思いながら、日本政府の対応は、正直な所、自分にも分からない、と言わざるを得なかった。
世界中の普通の人々は、何か決定的なダメージをよその国の人々が蒙った場合、助けようとする。
それは日本の普通の人々がそう思うのと同じである。
だが、今作は、そのような発想が行き届かなかった、或いは、そのような発想自体が、喫緊のカタストロフィーとは認識されないであろうとの不信感に根差していたというように思う。政府の対応も含めて、この不信感こそが日本的なのだと思う。今作がその辺りを如何に考え、作品化しているか是非とも拝見したい。