『50ans,j’yvais!(サンコントン ジヴェ!)50歳の私が20代の彼と結婚する方法』 公演情報 Sky Theater PROJECT「『50ans,j’yvais!(サンコントン ジヴェ!)50歳の私が20代の彼と結婚する方法』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    笑い笑いの連続であるが、それは卓越したセンスの良さが、観客の笑いのツボを押さえて放さないからだろう。喜劇で重要なシチュエーション…それを誤解、勘違い、思い込みなどを上手く構成し笑気(場面ごとに違う微笑・小笑・爆笑など)の坩堝である。見せ場は、もちろん年に差がある男女が”愛”を武器にして世間体という障害をいかにして乗り越えるかというところ。それは「婚活」だけではなく「就活」など、何らかの活動を絡め、人の機智が感じられる秀作。
    (上演時間1時間30分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、ある地方大学の女子寮ラウンジ。中央に丸テーブル・椅子、上手側には冷蔵庫、食堂に通じる廊下。中央奥に飾タンス、伝言ボード、下手側にも丸テーブルと椅子、二階へ上がる階段がある。壁には「男性は部屋に入れない 泊めない 侵入させない~寮監」と書かれた注意書が貼られている。室内は全体的に明るく物語の雰囲気そのものである。

    物語は、佃範子(たきざわちえ象サン)は今年で50歳。ある女子大の教務課に四半世紀以上勤務している。その大半を女子寮の管理人として過ごし、出会いが少なく、今まで独身を通してきた。その彼女にプロポ-ズした男性・土井昴士(森山光治良サン)が現れた。それもかなり年下の28歳である。ある土曜日、昴士が女子寮に来てプロポーズの返事を急かせるのだが…。実は範子は一つウソをついており、その事で悩んでいた。それが原因で右往左往のドタバタが…。

    本筋以外に「就活」に関する勘違い、早とちりなど脇筋自体の面白さがあるが、それを本筋に絡めて錯綜した展開にしており観客サービスに怠りがない。
    物語全体の構成と展開、そのタイミングが絶妙で笑いが絶えない。また観せるポイントでは寸止めポーズ、その姿にスポットライト、鼓の音など効果的な演出が見事。

    範子が「一生独り身も覚悟しないとか」という思いを抱いた瞬間、幸運が廻ってきた。そのチャンスを逃すまいとする姿、50歳女性の可愛らしさ、チャーミングな仕草が愛らしい。

    年齢からすると、健康、老後の生活資金など様々な心配が頭をよぎるが、それを保険という商品で端的に表すところが上手い。何かにつけて副業の保険勧誘を行う寮の食事係のおばちゃん40歳・橋口百恵(つめぎさとみサン)が、この芝居のキーウーマンのようにも思える。
    夢見心地の50歳女、ときどき現実味を突きつける40歳女、その対比と絶妙な掛け合いが面白さを倍加させる。もちろん、この女性2人以外の登場人物もキャラを立ち上げ、それぞれの役割の面白さを観せてくれた。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2017/11/09 17:59

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