満足度★★★★★
この劇団の公演は2回目。そして今回は劇団初めての本格的時代劇を謳っている。原作は森鴎外「高瀬舟」という短編小説であるが、その世界観(広がりや深み)は読者によって異なると思う。本公演は舞台美術が素晴らしく、視覚という効果を利用し観客を一瞬のうちに物語の中へ誘う。
さて、公演は小説の主人公を男から女に変えているが、もともと普遍的な主題を扱っており、”テーマ小説”と言われるているから違和感はない。それどころか女性だからこそと思える(情念)ような描き方をしており、主題に情緒という面が加わり観応え十分である。
また、性別を変えたことから、女性差別(遊女)という今日的な問題も浮かび上がるようだ。
(上演時間1時間45分)