満足度★★★★
牧歌的な風景を残した地方都市、その地元高校に集う学生たちの青春群像劇。テーマの訴えは弱く表層的とも思えるが、その内容も含め、青春時代の恋愛・希望・懊悩などを高校時代から20歳代後半までの10年余にわたる時間を生き活きと描いている。”とどかない言葉”は、青春時代だけではなくどの年代にも共通したもどかしさがある。その象徴的とも思えるような言葉が随所で聞かれる。
テーマに拘って観るというよりは、この悩みの特別な見方・扱い、その考え方に一石を投じるというところに意味があるように思えた。それは地方という閉鎖的な環境・状況ということではなく、日本の社会全体の風潮のようで、その縮図を描いているようだ。
本公演は、平成29年度(第72回)文化庁芸術祭参加公演。
(上演時間2時間) 2017.11.1追記