愛だ 公演情報 X-QUEST「愛だ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    「愛だ」観劇して参りました。本当なら公演期間中に「観てきた」を書きたかったのですがあっという間に五日間が巡ってしまい宣伝協力が出来ずすみませんでした><。
    「観たい」にも記載しましたが、原作「アイーダ」は未見で、フライヤーのあらすじだけでの観劇でした。古川さんと赤間さん以外は別の舞台やX-QUEST作品で拝見していたので馴染み深い印象もありました。初回に観たときは「難しい」と思ったのですが、3回めくらいから慣れてきました。新宿村LIVEという劇場は大きく、また高低差のあるセットから最前はとても近く臨場感があったのですが、後方から全体を観れる視界と言うのもこの世界には適していたかと思います。先行で座席を選ぶことが出来て本当に良かったです。クエストさんのアクション、殺陣は言うまでもないのですが、今回はダンスがすごく満載で、またエジプトとエチオピアの対立する国と引き裂かれる二人という「対」になるものが沢山観えた気がしました。タイトルの如く「愛だ」に溢れていて、またオープニングの効果音と、エンディングの効果音からのカーテンコールまでの演出がとても好きでした。印象的な役者さん、場面については「ネタバレbox」に書かせて頂きます。沢山観ても現状、音楽や、セリフやキャラクターが頭の中で生きている、本当に楽しくも切なくも儚くも素敵な世界でした。セリフも多かったと思いますし、演者の皆さんも「2倍」大変だったような気もします。素敵な「愛」だ」を魅せて頂き、ありがとうございました。

    ネタバレBOX

    オープニングの音が何の音であったか、原作同様「生き埋め」にされたアイーダとラダメスの心音であったような印象も得ました。脈拍がなくなる心電図のような音がフェイドアウトして照明が付き、その場で役者が起き上がる、何故かこの演出に涙も出ました。

    アイーダの思う地獄で眠っている人に語りかけているのは、誰か、
    「寝ないで!」と言っているのは誰なのか、新宿村LIVEという劇場をおそらくトレースした新宿の地下や現代の高層ビルに見立てた墓標、
    ラダメスが最後に言う「古代エジプトで付けた名前と、現代東京で愛おしく思う想いが愛だ、こんな偶然あるか?」というセリフと、
    アイーダの「致しません。父さんも兄さんも私の幸せを喜んで?」というセリフ
    、ラストの生き埋めにされたラダメスの元に、「明確な意思(いし)を持って石(いし)の中に潜んでいた」アイーダとの場面は全てが切なくもあり強くも見えました。

    冒頭では笑いも起きていたラダメスが、アイーダの前で見せていく男らしさ、愛おしさ、特に上手の上からアイーダを見つめる表情や、牢に入れられた後、踊るアイーダを見つけて一緒に踊るも離れてしまった手の震えが本当に切なかったです。

    エジプトの兵士、ガエリアガエリオガルシアとマードックの関係性もある意味三角関係ピラミッドが意識されていたかのように思いました。友情と、信頼、谷の下で囮になる時に「どうぞ」と言われたラダメスの表情が好きでした。だからこそ、ラダメスが祖国を裏切った際に受けたガエリアガエリオガルシアの想いや、引け目を感じているマードックの抗いが辛かった。

    エジプトが優勢ではあり国力も強いが内部では黒い影が動いており、結果違えてしまう。
    奪われた側のエチオピアもまた、復讐の中生きていて、回想シーンで笑顔で踊る場面が印象的でした。花飾り作って、ビスタを踊る、そんな日常からスローモーションで皆が離れ離れになっていくのが見えるのも辛かった。

    アクションが凄かったビーンズとメタリカの絡みが楽しかったし微笑ましかった!
    ビーンズの目配せの後の「アイーダ様!」と「控えめな応援歌」が可愛かったです。
    プライドがないんでと言いながらも、祖国の為にアイーダを奮起させたり、メタリカをお護りする姿はとてもカッコ良かったです!

    ファラオの座を狙うソラリス、クールな見た目と裏腹に、ラダメス(息子)への溺愛っぷりが可愛かったです。時々見えくれする腹黒さも本音も、その切り替えとギャップが凄かった。個人的に、ラムフィスに刺された後の滑らかな倒れ方と、火の手の上がる中の立ち上がり方が美しいと感じました。表情から指先まで細やかで、より一層注目したくなる役者さんでした。

    ファラオの日替わりネタ、カメラ意識したアドリブが日増しに凄かったです。
    良い声で、絶妙に盛り込んでくる展開に毎日期待しておりました。
    豊田さんはこの「愛だ」の稽古場風景をよくおすそ分けして頂いていたので、観劇後の余韻に浸ることが更に深く出来ます。ありがとうございました。

    ラップに対抗して短歌を嗜むアムネリス。本当に美しいエジプトの御姫様でした!
    「夢と希望が一度に叶った」の時に胸に手をあてて目を伏せるところが好きでした。
    アイーダに「恋敵だし!」と言い放つところも、ラダメスを救おうと一生懸命になる所も「どうしてそんなに…」の時はいつも同じように涙が溢れました。
    エンディングの死者に手向ける短歌が素敵でしたし、その姿が素晴らしく神々しかったです。




    ビーンズ渡辺さんは4回めのクエスト出演で今回も注目していましたが、また新しい姿を観れて嬉しかったです。動きはもちろんですが、倒れ方も上手いし、観ていて気持ちの良い立ち回りでした。「涙がちょちょぎれちゃう…」は彼には珍しい一人芝居のスイッチだったような気もしました。

    小玉さんはソラリス高田さんとの立ち回りがとても凄かった。
    あれだけの身長差で、あれだけ足が上がったり、男性と同じレベルで立ち回れるのがとてもカッコ良かったです。エチオピアを想う一人芝居面白かったです。

    全員分書ききれないので、最後にアイーダ。
    身体の柔らかさ、しなやかさがダンスに生きていて、脚の上がり具合やターンの指先等とても綺麗でした。1人で始まるソロの笑顔は本当に可愛くて、
    本当に「心臓に毛の生えた」ような強く、お茶目な面も見えましたが、
    ラダメスを愛しく思う姿がとても可愛かったです。

    全ての者の永遠の枷であったり、強さであり、弱さであり、
    種族や争いを超えて行けるものが「愛だ」。

    これからもう少し整理して自分なりに考察して行きたいと思いますが、
    沢山の「愛だ」に溢れる新宿地下のカラフルでグレイトフルな場所での五日間、
    本当に沢山の「愛だ」を叫ぶことが出来ました。
    愛おしく思う想いは素敵ですね。国境も人種も4500年も超えても自分も貫き通したいと思いました。

    出演者の皆様と制作、スタッフの皆様の沢山のお心遣いに感謝の観劇でもありました。
    今までの公演でも思いましたが、今回も音楽が本当に好きだったので、サントラCDを是非ご検討ください!!

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    2017/10/24 01:27

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