木立によせて 公演情報 芸術集団れんこんきすた「木立によせて」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    2度目の観劇。もっと観たいのだが、公演中他の日は、完全に埋まっていてどうにもならないのが残念である。若手2人(第一部石渡 弘徳くん・第二部木村 美佐さん)の演技が良い。優れた作・演出をする奥村 千里さんの深い洞察に基づいた指示を的確に理解して、舞台上に載せるだけの良い意味での素直さを持っている。無論、れんこんきすた座長の中川 朝子さんの迫真の演技については言うまでもない。まことに深い作品である。革命後のソ連の状況を革命家たちの名前や、革命に関わる短い単語だけで表している技法も凄い。(少しだけ追記2017.10.22)花5つ☆

    ネタバレBOX

     オリガが、最初の生徒、ジュイシェンを志願させるような気持ちにさせてしまったのが、己の教育の所為であると考え、彼が戦場から送って寄こした最後の手紙の意味する所を恐らくは取り違えて、他人に教えることを拒み続けた幾十年の苦悩を二番目の生徒、アルティナイが救ってくれることになるのだが、この間のドラスティックな展開を見事に舞台化している、役者たち3人の演技が、実に魂に染み入るのだ。無論、それを為さしめる脚本の良さ、演出の視座と適確なアドバイスが、このように他人の魂を惹きつける作品に結実している訳だ。何故、今作が他人の心にこれだけ染み入るのか? このことを知る便ともなる作品であろう。表現の白眉と言える作品を何れ生み出すであろう、れんこんきすたの、次のステップへの確固たる離陸作品である。
     些細な点で指摘できることが無いではないが、それは別の場所、別の機会にする。こんなことを言ったからといって、今作の価値が下がる訳ではない。何故なら、今作の基底は、本質を通してに見事な普遍性に達しているからである。

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    2017/10/21 00:32

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