満足度★★★★★
鑑賞日2017/10/16 (月) 19:00
価格3,500円
無題2151(17-155)
19:00の回(小雨)。
18:50会場着、玄関で受付そのまま開演待ち、荷物を預っていただく。
ゲッコーパレード10公演目(再演を含む)、本作は2016/12に旧加藤家住宅で観ました(このときは2回観劇)。
また、会場の「島薗邸」は「かたりと」の「紅梅振袖(2014/11))「聲香(こゑかほる) 北原久仁香 ひとり語り(2017/1)」で来たことがあります。すぐ近くに「旧安田楠雄邸庭園」「森鴎外記念館」もあり、途中の団子坂は乱歩の「D坂」。
帰宅してから過去公演を確認していると...林純平さんはreset-N「knob」に出ていらした方でしょうか?
やや押して開演、機械音(ここは偶然)を背景にリンドバークが影のように玄関へ。このときの暗く、疲れきったような佇まい(ハムレットの亡霊のようにみえました)。それはチラシ裏面のリンドバーク(河原さん)のイメージによるのか、この「家」が醸し出す不思議な空気によるものか。破りがたい堅牢さ、年月と伴により硬くなってゆくようにみえる「建物の素材」によるものか。
※蕨版との違い
旧加藤家=現在も居住しているような、活動的な印象、故に行き来が自由、開放的。島薗邸=登録有形文化財、公開日あるも扉を閉じ静かに眠り続けている。
活火山(活動)と死火山(静観)との違いに近いか。
開演前からそこに生まれる物語はおのずと違ったものになるのではないかと思っていました。
旧加藤家で感じたさまざまな苦難、荒々しさの乱打は、ここ島薗邸ではひとつの大きな力としてまとまって建物全体を覆い、それに呼応したのか、リンドバークも(男性的な)挑戦者から、(女性的な)疲弊しつくしたような存在として感じました。
本来の役割を終え、静かな生活を続ける島薗邸の魔力なのでしょうか。
夜空に光る星は遠い過去の姿でありながら少しずつ変化している。ここ島薗邸はすべての活動を止めた空間。