満足度★★★★
世の中の不公平、たとえば「才能がある、ない」「運が良い、悪い」などについていろいろな立場から考察している。と一言で書くと薄っぺらになってしまって申し訳ない。
詳しく書いてもネタバレということにはならないと思うのだが、先入観なしで、作者の術中にはまって流れに身を任せるのがこの作品の楽しみ方のような気がするので自粛する。あちこち振り回される感じがとても楽しい。
瀬戸康史さんは世の中を斜に見る困った青年役を嫌味たっぷりに好演していてなんだかぶん殴りたくなった(笑)。
また、車を運転していた青年役の鈴木裕樹さんの狂気に冒される様には鳥肌が立った。
総じてあちら側に片足を突っ込んだ役がおいしくて、他の役は割を食った格好になっている。
小島藤子さんの美しさにいきなり心を奪われた。
煽っては鎮めるを繰り返すマッチポンプの痛い娘役なのがちょっと残念。
熱演だったのだが、心ここにあらずの私は「可愛くてかっこ良い役を観たい」という願いでいっぱいだった。「髑髏城の7人」の「沙霧」役なんかピッタリだと思うのだが。強く願うと実現しますよ(微笑)。
それから、カーテンコールで、もし満面の笑みで大きく手を振ってくれていたら私の幸せは3割増しになったのにとちょっと残念。
アイディア一発感がやはり少しするかなで4つ星。