メビウス‐201709- 公演情報 リンクスプロデュース「メビウス‐201709-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    本公演は、男女2人芝居を4組が上演(A・B・C・Dチーム)。池袋演劇祭公式パンフレットには、これまで大阪のみで上演し、初の東京公演とある。
    原作はナツメクニオ氏(劇団ショウダウン)であり、同一脚本であっても演じるメンバーによって、その数だけ物語が違って紡がれるようだ。自分はA・Bの2チームを観劇したが、その物語感の違いに驚かされた。
    舞台セットはシンプルであるが、そこで描かれる物語は、自分の脳内に浮かぶ場面が登場人物の記憶なのか、自分の思い入れなのか、観客の共通認識なのか。一つの脚本がこれだけ印象の異なる作品として生まれる、という演劇の楽しさ素晴らしさが実感出来る。2人の心象劇の奥深さ、底知れなさを”静視”した。
    (上演時間1時間30分)【脚本】

    ネタバレBOX

    舞台セットは、バックに紗暗幕。ほぼ中央に白いBOX2つ。四方に無機質感を出した断鉄骨風なもの。シンプルなだけに、役者の演技力が問われる舞台。
    梗概は、チラシ表面全部を利用し細かい字で書かれているが…。

    地球から遠く離れた星で出会った港湾労働型と家事労働型のアンドロイド2体(製造が50年以上で経年劣化している)。「どこかで会ったことがありませんか?」という問いかけが物語の始まり。その問いを確かめるため記憶の旅路へ。それは1991年、1840年そして遥か昔のローマ人・ガリア人が登場する争いにまで遡る。3000年という時を遡行する旅路で観たものとは…。
    出会いは、その都度夫婦、敵味方の兵士、人間と動物などの関係性に変わるが、確かに出会っていた。そしてその時々の戦争などによって別離が繰り返される。

    ”愛の記憶”の象徴として描かれる白い花。それを2人が握り合うことで記憶を確かめ合い、今に至っていることを知る。エネルギーが切れるまでの僅かな時間…その瞬間までが愛おしくなる。戦争によって引き裂かれた愛、それは、かつて人間であった2人がアンドロイドという存在に変わっても、なお悠久の時を経て確認できた”愛”。

    物語は、役者の演技、多少の演出の違いによって異なる雰囲気を醸し出すように思う。その意味で映画映像と違って生身の役者が演じている芝居の面白さ、醍醐味が感じられた。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/10/02 16:09

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