純惑ノ詩―じゅんわくのうた― 公演情報 野生児童「純惑ノ詩―じゅんわくのうた―」の観てきた!クチコミとコメント

  • 「死」だけが永遠に愛する人を愛する証となるのだろうか。
    観ながら、そう感じ、悲しい想いが湧き上がる。
    ただ、「恋しい、恋しい、貴方が恋しい・・・」
    そう、お岩様は遠い昔に想いを伊右衛門に抱き続けた。
    そして、2017年。

    やはり「恋しい・・・」その想いがぶつかり、壊れ、崩れ落ち、辛い。


    舞台は現代・下町なのだろうか。
    夏の夜を彩る花火は、192年前も恋人たちを照らしていたのだろうか。
    今年は奇しくも他公演でも、同じ「東海道四谷怪談」を観た。

    お岩様の皮膚がただれて、醜い姿になっていく描写が今回も、涙が出てしまった。
    怖いのではなく、気持ち悪いのではなく
    「彼女」の気持ちが痛く、伝わってくる。その感情が伝わる事によって
    「私」も悲しく、絶望的な気持ちになり、涙が出てしまう。

    今作は様々な「想い」が入り組み、「想う」が故の悲しい物語だった。

    田宮伊佐雄役:齋藤陽介さんの一途な「想い」も、三津谷石珂役:有田杏子さんのすべてを包み込むような「想い」も、みんなが自分の愛おしいと思う相手の事を考えて、「良かれ」と思ってる。
    それは、ごく自然な事で、当たり前かもしれない。

    でも、そこに「死」がひとつの解決策となるのは
    本当の「愛」なのだろうかと。
    人によっては、そう定義する人もいるかもしれない。
    でも、「死」は続くものではないと私は思っている。
    「死」は「無」になってしまう。
    純粋にその人だけを想う事が罪なのか。
    観ていると、切なさよりも悲しさが私は大きかった。
    純粋に人を好きになると言う事はある意味、怖い事なのかもしれない。

    いつも、明るい役柄でお逢いすることが多い齋藤陽介さんが今作はとても、鋭い
    狂気すら感じる演技で怖くも有ったが、「愛」を感じた。

    もう少し、こう、感じた事、書きたいのだが上手く「単語」に出来ない。
    あの時間は花火みたいに一瞬の閃光の中の出来事だったんじゃないかって。
    幻のような、何というか・・・・。
    でも、悲しい気持ちになる物語は一瞬で消えてしまった方が良いのかもしれない。
    人は、「生きて」こそ、大切な人と有限の時間を過ごすことが平凡だけど幸せじゃないかと。

    虚構の劇団の木村美月さんも出演。
    可愛らしい役柄であった。

    今回お二人気になった方がいた。
    伊藤槇子役:荻窪えきさんX-QUEST所属
    不勉強で初見なのだが、かなり、劇中の空気を混ぜ込んで中和する役柄で大変素敵だった。

    拓悦役:オザワミツグさん劇団居酒屋ベースボール所属
    中盤からきっと、そうなんだろうなと思っていたが、あの感情のぶつけ方や、立ち位置はかなり、良かった。
    あの中にあって、一番、ある意味均整の取れた役柄だったように思える。

    0

    2017/09/26 00:06

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大