15 Minutes Made Anniversary 公演情報 Mrs.fictions「15 Minutes Made Anniversary」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    私はMrs.fictionsさんの事を知ったのがつい最近ですが、この15MMは本当に良い企画だと観劇する度に感激する。
    今回は10周年ということで、参加団体も豪華。
    今回ほどあっという間に時間が過ぎたと感じた公演は無かったかも。
    どの団体も濃い15MM。


    個人的にはキャラメルボックス、Mrs.fictionsが好きな内容だった。


    柿喰う客
    作品名: フランダースの負け犬

    作・演出:中屋敷法仁
    音楽:入交星士
    出演:七味まゆ味、深谷由梨香、葉丸あすか、田中穂先


    既にある戯曲を15分に。
    24日のアフタートークで7000文字位詰め込んだと中屋敷さんがおっしゃっていた。
    流石という言葉で括るのは大変失礼かと思うが、本当に、一瞬で「ぐっ」っと引き込む力が流石だった。
    「次に本公演を観たい」と思わせるには十分すぎる。


    吉祥寺シアター演劇部
    作品名: ハルマチスミレ

    作・演出:堀越涼
    演出助手:金子侑加(あやめ十八番)、白石ほなみ(ましかく企画)
    音楽:吉田能(花掘レ)
    出演:市村友里江、伊藤美紅、内田幸花、紙屋陽子、齋藤龍之介、里吉うたの、庄司ゆらの、中野亜美、西室桃花、一楽、古川佑紀、室井美生


    彼女たち、彼たちが、段々飛び方を経験を重ねると今は飛べなかったり、引っかかったりしてる「縄」も、飛べる力がつくのかなと。
    ただ、若いとというだけではなく、それは、「大人」と呼ばれる年齢の自分も、そうなんじゃないかと、観ながら思う。
    若いから純粋というのはある意味烏滸がましい大人の言葉かもしれない。
    どうしても「高校生」が頑張って偉いという見方が出てしまうが、ある意味、舞台上にあがれば、そこは対等にみるべきだと。
    そういった意味でも、とても見ごたえのある舞台だったと思う。
    個人的に「ユラノ」役の庄司ゆらのさんが
    目を引いた。彼女の中学時代に有った事柄が定時制進学を考えさえ、色んなバックボーンを巧く表現していたと思う。

    梅棒
    作品名: BBW

    作・演出:伊藤今人、遠山晶司
    出演:伊藤今人、飯野高拓、鶴野輝一、遠山晶司、遠藤誠、櫻井竜彦、野田裕貴(以上、梅棒)、池田遼(少年王者舘/おしゃれ紳士/ホナガヨウコ企画)、正安寺悠造(DACTparty/隕石少年トースター)、原田康正(劇団昴)、五十嵐結也、KENZO MASUDA(GANMI/X'RATED CREW)




    梅棒はダンスは詳しく無い自分にとって、ある意味「びっくり箱」なイメージ。今回もとても、楽しく拝見出来た。
    アフタートークでの梅棒の作品作りにおいての考え方など今人さんのお話を聞けたのも、良かった。


    演劇集団 キャラメルボックス
    作品名: ラスト・フィフティーン・ミニッツ

    作・演出:成井豊
    出演:筒井俊作、渡邊安理

    今作は15MMの為の書下ろしとのこと。
    中盤で、何故、この夫婦が動画を自分たちの娘にあてて撮っている意味が分かる。
    限られた「15分」それは、この夫婦にとっての最後の「15分」
    想いを伝えるには短すぎる時間で、でも、二人が愛する娘に届ける為に語り続ける。
    愛が伝わった冬のある日から、二人の最後の瞬間に、雪は解けて涙となった。

    観ながら、私は8/12に起こった日航機墜落事故を思い出す。
    その時の乗客の方々は最後の時まで自分の大事なヒトへ想いを紙に残したという。
    きっと、誰もが「何故、自分がこのような事故に巻き込まれなくてはいけないのか?」と理不尽さに絶望しているはずなのに
    大勢の方は大事な、大事なヒトへの「最後の言葉」を書き残した。

    そう、思うと、更に涙が出てしまった。

    劇団「地蔵中毒」
    作品名: 想いをひとつに

    作・演出:大谷 皿屋敷
    出演:栗原三葉虫、関口オーディンまさお、鈴木理子、かませけんた、宇都宮みどり、東野良平、フルサワミオ、hocoten、立川がじら(落語立川流)、武内慧(東京にこにこちゃん)、礒村夬(グッドラックカンパニー)


    今回参加団体の発表後、かなり、話題になったこの劇団。
    私も初見。
    個人的には好きではないけど、面白いとは思う。

    Mrs.fictions


    作品名: 私があなたを好きなのは、生きてることが理由じゃないし

    作・演出:中嶋康太
    出演:岡野康弘、岡本篤(劇団チョコレートケーキ)、徳橋みのり(ろりえ)、森谷ふみ(ニッポンの河川)




    もう、途中から涙が出てしょうがない。一回、一回、久太郎(岡野康弘さん)が指を鳴らし、月日が過ぎていくのと、優子(徳橋みのりさん)の想いが積み重なって、自分の涙が零れてしまう。
    この場面、少しユーモラスな演出もあって、笑いも起こるのだが
    逆にそれによって、更に泣けてしまった。


    あの場面は、何となくドラマチックなことでは無く淡々と時が積み重なって、でも、その淡々とした中の切ない空気が漂うのが中嶋さんのホンの素敵さではないかと感じたそして、やはり、Mrs.fictions。「生」の側の人・「死」の側の人。優しいという簡単な語彙で括るのではない心の悲しさを鎮めてくれるような子守唄のようなホン。


    劇中の台詞で優子さんが「溶けて乾いたみたいに忘れちゃうと思う」というと
    久太郎さんが「早く、忘れちゃいなよ」って言うのです。
    この台詞、ずきんとした。


    残された側と逝ってしまった側。
    久太郎さんは病死かもしれないし、もしかすると精神的な所からの自死かもしれない。
    久太郎さんは「早く、忘れて欲しい」と思う。
    残してきた人たちが大事だから。
    優子さんは「代わりに景色をみて居たい」とも、言う。
    逝ってしまった人が大事だから。








    劇中使用された曲がまた、良い。


    https://youtu.be/qL3LvKqQ06A





    本当に各団体を一緒に観る事が出来るお祭りのような今回。
    ロビーには過去公演のポスターや、フライヤー。

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    2017/09/26 00:01

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