アンサンブル 公演情報 劇団ヨロタミ「アンサンブル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    個人的には今まで観た公演の中で一番好み。劇団公演で最少人数での上演とのことだが、その少なさが逆に登場する人物の背景を丁寧に描き、少し痛みを持つ人々が寄り添いながら生きている。そして時の流れとともに癒し癒され成長し自立していく姿が感動的に描かれる。
    また、いつものように舞台セットを作り込んでおり、視覚で楽しませてくれる。公演は平成時代であるが、その雰囲気は昭和時代を彷彿させる”しぇあ~はうす”である。そのイメージは長屋・アパートを思わせるもので、人情豊かな古きよき時代を出現させる。
    (上演時間1時間53分) 2017.9.27追記

    ネタバレBOX

    舞台セットが素晴らしい(毎公演であるが)。むき出しになっている柱が2本。その中心にこの”しぇあ~はうす-いなば荘”と書かれたガラス戸玄関があり、その向こう側にブロック塀が見える。室内は上手側に1部屋、食堂、風呂場。下手側に2部屋と奥に階段が見える。中央に横長ソファーとテーブル。その他見えないような所に冷蔵庫、食器棚が置かれ、小物も生活観を漂わす。

    現在ハウスに住んでいるのは4人(三浦・長谷部・笠原・岩本)。そこに東日本大震災で被災した男・松川(坂本直季サン)、刑務所から出所した男・白倉(大矢三四郎サン)が次々入居してくる。
    先の4人…三浦(金藤洋司サン)は小劇場の役者でメインの役柄がない、長谷部(中澤隆範サン)は借金苦の自殺未遂者そしてアイドルオタク、笠原(川嶋健太サン)は苛め・対人恐怖症から新興宗教へ、岩本(勝又保幸サン)はサラリーマン時代にモーレツ社員として家族を省みず、そのあげくリストラ・失踪、という各々の背景が丁寧に説明されていく。

    この公演は、前作「代役!」のパロディ、受刑者の苦悩「硝子の途」など、直近過去作品を連想させ興味深く、そして楽しんで観た。先のメイン役柄以外に色々な役柄を担い、その早変わりも見所の一つ。またアイドル公演を思わせるようなシーンも人形を操り楽しませてくれる。セットとともに視覚的な面白さで笑える。
    一方、入居者一人ひとりが抱えた人生、その過去が披瀝される都度泣けてくるような心情描写も素晴らしい。その落差ある笑い泣きの対比が実に印象的で上手い。大衆人情劇であるが、あえて主人公を挙げるとすれば、このシェアハウスという場所であろう。この古い建物は、そこに集まってくる人々の温かい善意が凝縮されたような癒し空間である。しかし、老朽化が進み建て替えが必要になってくるという物理的なこと。入居者側も事情や情況が少しずつ変化し、成長・自立の時を迎えている。退去に向けて自然な時の流れは、観ていて納得感と今後の一人ひとりの人生に安心感が持てる。

    住人たち以外に、このハウスの大家ならぬ中家(ちゅうや)・稲葉美雪(南井貴子サン)と大家(義父)と夫の2役(中島佳継サン)夫婦の暗い過去が説明される。住人たちだけではなく、登場人物全員が何らかの痛み悲しみを抱えて生きているという重層さ。

    演出…アイドルライブを劇中に挿入することで、ミュージカルとは違う音楽劇?を見せ聞かせる。演技は申し分なくバランスも見事である。久し振りの白倉くるみ役の水谷千尋さんのジャージ姿のヤンキー娘とミニメイド服のようなアイドルの一人2役も楽しめた。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2017/09/25 16:46

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  • タッキーさん
    観てきた!コメント&いつもご来場頂き、ありがとうございます😆✨✨✨
    今まで観た中で一番良かったとの声を沢山頂いており、嬉しい限りです❕❕
    更に精進致しますので、今後も劇団ヨロタミを宜しくお頼み申し上げますm(__)m

    2017/09/25 18:52

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