ひとり芝居フェス 公演情報 野方スタジオ「ひとり芝居フェス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    閉鎖前の「ひとり芝居」3連荘(チャン)の最終週にようやく観劇が叶った。前回も出た平成マリーの他者演出、フジタタイセイの一席は観ずに終ったが、殺風景な一室を殆ど装飾もせず、しかし次第に堂々と劇場然として見えても来たこの風変わりな小屋を、見納める事ができた。
    「劇場を作る」のは何か・・上演される芝居も勿論だが、何よりも観客であるらしい・・そんな事を考える得がたい実例にもなった。
    4、5回訪ねただろうか。RAFTや空洞より多い。謝謝である。

    ネタバレBOX

    芝居はいずれも小編で全70分程。一番手の明良朔は「ゆで卵の作り方」というイヨネスコの作品から翻案した「ゆで卵の作り方と捨て方」。この「劇場」の環境、特性を最も活用し、適合したパフォーマンスで、「ゆで卵・・」(原作)のテキストを劇中朗読しつつ換骨奪胎し、一つの別の芝居となっていた。「劇場」空間の舞台と客席の地続き感(境界の希薄さ)を逆手にとって、微妙な境目の上で遊ぶように台詞を吐く。「卵」は卵子の隠喩で「捨てる」とは排卵の言いだが、自らの「女性」性(ジェンダー)への疎ましさが呟くような台詞の中に滲む。痛い記憶と現在が重なりつつも、困難を超えて行こうとする微かな明るさもある。
    雲の劇団雨蛙のはオタク少女っぽいキャラ(黒縁大眼鏡、ストレートロン毛、ミニスカにジャンパー)のいしむらまいか出演、作・演出もそれぞれ劇団員が担当。手描きイラストをめくりながらの「自己紹介」が、生年月日がピッタリ同じというモー娘。の何某と比較しながら進み、虚実の境目が混沌としてくる「明け方の夢」のような短編。
    最後は楽園王「よだかの星」、印字されたテキストを読んでは捨てる、変てこな場所で区切って読む、というお得意の演出。原作そのまま(恐らく)というのが見えた時点で、いかに演出を凝らしてもある点数以上には行かない、原作を超えられない、と思ってしまった。まとまりがあり、場面の変化を作るアイデアはあり、クライマックスも作られていたが、「よだか」という作品が、作り手の「言いたい事」とイコールではない・・と、まずそう考える。何か別の言いたい事のために、「よだか」は選ばれた、その背景が知りたいのである。

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    2017/09/20 00:47

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