すずめのなみだだん! 公演情報 やみ・あがりシアター「すずめのなみだだん!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    信仰と教育という、どちらも精神的なことに左右される。その目に見えない内容を、物語化して概観を伝えられるところに脚本・演出(笠浦静花 女史)の力を感じる。
    自分は、この公演からアニメ映画「魔女の宅急便」を思い出してしまう。「郷に入っては郷に従え」という言葉があるが、今いる信仰の環境・世界から別の世界を覗いたとき、そこに見える社会・世界はどのように映るのか。そこでの生活を通して自分自身がどう変わるのか、変わらないのか。そんな問いかけをしている一種の寓話のようだ。
    (上演時間1時間45分)

    ネタバレBOX

    冒頭は、キャスト全員が地を踏み鳴らすような仕草・動作をするため、一定のスペースを確保した素舞台。暗転後、場面は教室内もしくは靴屋をイメージさせる。正面に黒板、客席寄りに授業スタイルに机と椅子が並べられる。

    ”だだん”に聞くという台詞に連動する動作が、裸足で地面を踏み鳴らすこと。誰かに聞くのではなく、自分で考える又は地(球)と対話することを示すのか。この一連の動きに信仰性が見える。一方、主人公すーちやん(鈴木茉唯サン)が通い出した夜間学校は教師の授業を中心に生徒同士が教え合う姿もある。まさしく”教育”現場である。
    主人公以外の脇役(生徒達)は、物語の奥行きを持たせるためだけに登場し、最悪「目の保養」でしかない場合がある。公演でも女性キャスト達が水着姿になったが、そこには意味があったようだ。

    ”縦の信仰、横の教育”というようにカテゴライズして捉えると、心の自由度というか思考・視野が狭くなると思う。例えば、地球の形。信じていることが事実と異なることを教わる等。信じていたことへの疑問、それによった直接地に足を付けられない(敷物の上の生活が始まる)。
    物語は、主人公す-ちゃんとその連れ すずき(加藤睦望サン)が中心であるが、その周囲にいる人々の生活も面白可笑しく描く。先に記した信仰と教育は、精神的なことかもしれないが、一方”性(誤妊娠)”を通して生身の人間も描く。この劇団の「マルカジット マーカサイト」という公演でも宇宙船という特定空間の中での性欲を描いており、精神・肉体のどちらも大切だと…。

    「魔女の宅急便」は、主人公の少女キキが、見知らぬ街で偏見・好奇を乗り越え成長する姿を描いているが、いつの間にか人の優しさ=人間らしさに魔法の力が弱まる。相棒の黒猫ジジとの会話も出来なくなる。
    公演でもすーちゃんがいる今の世界に慣れ、相棒の すずきが飛べると思って落下する等は、郷に入ったからではないだろうか。ラスト、すーちゃんは自分の意思で靴を履くが、その先の生き方は観客に委ねられたようだ。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/09/17 13:13

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