SHERLOCKIAN Aの項目 公演情報 Project S.H「SHERLOCKIAN Aの項目」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    会場に入ると、そこはシャーロック・ホームズの部屋が出現したかのようだ。また登場人物の衣装も当時の雰囲気を思わせるもので、まず視覚的に楽しめる。もちろん、彼は世界的に有名な名探偵であり、次々に事件解決の依頼がくるが…。本公演でも某機関から事件解決にむけての協力要請があり、現地に行くことなった。このメインとなる事件の解決のプロセスをテンポよく観せているが、その謎解きは物語性に重きをおいたように思う。観客に事件に関する材料をすべて提示し推理させるというよりも、仔細は省略し物語の世界を楽しんでもらうことを優先したようだ。そしてメインとなる事件の解決で幕引きかと思われたが、本当の主題は別に…実に巧みだ。
    脚本(ひろ氏)は面白く、それをビジュアル的に印象深く観せる演出(浮谷泰史氏)、また主役のシャーロック・ホームズ(下田修平サン)が実に魅力的だ。

    1887年、シャーロック・ホームズが初めて登場してから今年で130年。その130周年お祭り企画第一弾、観応えがあった。
    (上演時間2時間) 2017.9.23追記

    ネタバレBOX

    セットは、上手側に大きな机・椅子、書棚、下手側にソファー。窓から日が差しており柔らかい雰囲気である。ロンドン警察からの依頼がメインの事件であるが、資産家の主人が失踪した。その行方は…。この家に残された妻、執事、新しく雇われたメイドがいるが、過去に起きた別事件からこの家の秘密と失踪の理由が明らかになる。この事件は、シャーロック・ホームズの推理によって解決する。

    物語は、これで終わりにならない。先の事件解決にあたって多くの人物が登場するが、事件に関係ない人々もいる。当日パンフにはホームズとの関係、いわゆる相関図が書かれている。先の事件は劇中劇のようで、本来の梗概は、ホームズと登場人物たちの関係が次々明らかにされる。その意味でホームズの人物評伝と言える。ホームズには失敗、ましてや解決できない事件はないと思われているが、やはり人間である。その人柄なりは、興味を持った事件だけを扱い、それ以外の資料はゴミのように放置している。その勝手気ままな様子や女性に対する思わせ振りな態度が誤解を招く。完全な人などいない、その人間味溢れるホームズが魅力的に描かれており、観応え十分であった。

    演技は初日ということもあり、全体的に硬い感じもしたが、セットや衣装、また照明等の視覚が補っていたのが好い。
    最後に、ホームズの兄から来た手紙は何だったのか気になるが…。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/09/15 19:21

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