満足度★★★★
これは正統派の古典的推理劇である。
笑いやアクションは一切なく、提示された謎はすべて回収される。
中高年男性ミステリーファンにも安心しておすすめできるものである。
年をとって一番困るのは目の衰えである。
小さな活字は追って行けず、すっかり読書量が減ったと嘆く声も多い。
大画面の4Kテレビで電子書籍を読む人もいるという。
そういう点ではこういうセリフの多い、朗読劇に近い芝居は案外市場が大きいかもしれない。
こんなことを書いたのは観客にお年を召した方が多かったからである。
前の方は半分以上が60歳以上ではなかっただろうか。
出演者のお父さんかお爺さんかもしれないが、上で書いたような事情もあるのかと想像してしまった。
内容を少しでも書くとネタバレになるので、些末な感想だけにしておこう。
初回なのでセリフを噛むのは許容範囲だが、声の調子がバラバラなのが気になった。
常にビブラートがかかる人、口だけで発声している人、腹から出しすぎてオペラか浪曲になっている人、なんでも絶叫調の人…
録音を聞けばまずいことは誰でも分かるだろうが、いろいろな団体の寄り合い所帯なので調整は難しいのかも。
誰もが一目置く先輩のような人はいないのだろうか。