いわば「ヴァギナ・モノローグス」の生理版で、法廷劇のようなスリルもある会議ものの群像劇。初潮から閉経までを当事者視点で赤裸々に語ってくれるから、何もかも自分のことのように感じて、「そうなの、そうなのよ!」と脳内で激しく頷きながら、なぜか涙をポロポロ流しながら観た。女性の生理は今も“隠されたもの”なのだ。
生理用品の開発現場から現代の社会問題が浮かび上がる。日本人の“働き方”について考えせられ、原材料の生産にまつわる農薬、種の問題は特に興味深かった。企業内の“リケジョ”の活躍はエンタメ要素が多く、研究開発やコンペの行方にわくわくする。
男女問わずお薦め。カップルやご家族で観に行くといいのでは。笑顔を貼り付けたような演技がごくたまに気になったけれど、作・演出の詩森ろばさんと仕事をしたことのある女優さんばかりで、チームワークも上々。石村みかさんがはまり役、笹野鈴々音さん、熊坂理恵子さんはいつもながら柔軟で光っていた。約2時間10分。