理解に苦しむ言葉「だだん」について、私なりに思ったことを記します。 先生が黒板に書いた“What on earth are you doing?”ですが、この一文が本作品の全てを物語っているのではないか、と感じました。 “on earth”は直訳すると「地球上で」となり、これは足を地面に接着させていること、しかし本来は「一体(全体)」という意味に使います。前半部分では雀が「だだん」と着地し、裸足を地面に着けて覗き込んでいるような動作に対し人間が「雀さん、あなたは一体何をしているの?」と不思議に思うことと思われます。 雀は神様の使いと言われているらしく、「舌切り雀」の昔話はその雀の舌を切ったお婆さんに天罰が下るのですが、改めて考えてみると(最近都心で見かけなくなった)雀は以前農家の庭で脱穀していて地面に落ちた米をよくついばんでいた記憶がありますが、勿論米も神様からの授かりものですし、その首を上下に動かすことによって神様のお告げを聞いていたのではないでしょうか。 ストーリーが進むにつれ、人間が雀の行動を不思議に思うというよりも雀がその目を通して、自分たちがそこに立っているに関わらず、裸足で触れることを忘れてしまった人間たちに対し「一体(全体)どうしてしまったの?」というメッセージを送っているのではないか、と痛切に感じました。