満足度★★★★
落語の「たがや」に挑戦中のダメ落語家を主人公に置いたとき、脚本家の頭に江戸と現代、「たがや」と落語家を融合させるアイディアが閃いたのであろう。
巧みな構成が光る意欲作である。
途中休憩なしの2時間20分だが適度に場面が変わって飽きさせない。
舞台セットは一つであるが江戸と現代を交互に描いて行き、最後に大団円を迎える。
構成が複雑なことと私が落語に不案内なこともあって理解できない部分もあったが、本筋は十分楽しむことができた。
遣り手婆のダミ声が耳に残る。あれを聞きにまた行きたくなってしまう。もうほんのちょっと酒とタバコで喉が焼ければ完璧だ(やっちゃ駄目ですよ(笑)。
門倉の存在感が素晴らしい。出番はそれほど多くないのに観客をすっかりコントロールしている。
白兎は社会人落語家としても活動されているとのこと、ベテラン俳優のような熟練振りであった。