サマデーナイトフィーバー 公演情報 20歳の国「サマデーナイトフィーバー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★


    久々の新作。


    数回観劇してるなかで、切なさの妄想が激しく高まった。


    場面、場面が何故か今回、「美しい」と感じた。
    照明が美しい場面が多かった気がする。切ないの定義は人さまざま。


    ふと、この劇団をどうみるかによって、かなり差がある気がした。
    「没入」で観るか、
    「俯瞰」で観るか。


    実際の高校生がどうなのか、何て野暮な事は言わないし、あくまでも「物語」をどう楽しむか。
    自分は今回「俯瞰」で観ながらも、「言えない」切なさがかなり、パワーワードとして、心に残る。
    きっと、これは小さいながらも「共感」出来る感覚なのだと。
    目立つことが一個も無かった私の青春の中にもこの感情は共通項だと。
    虚構の中の青春は花火のように、綺麗で、でも、あっという間に終わってしまうんだなと。




    「こんな告白したら、良かったな」と切なさに妄想したり、でも、どっかに「昔の甘酸っぱさ」を世代を超えて感じた今作だった。


    辻元(古木将也さん)と中やん(尾倉ケントさん)のコンビ、その関係性ちょっと、じんとした。



    夏休み前の最後の学校。
    台風がやってきた。
    花火大会も中止。
    なんだか、台風って非日常的で「ワクワク」する。
    そう、「いつもは話せない」事も話せそう・・・・。

    ネタバレBOX

    「自分の居場所」が確立できないそんな彼に「放送部」という居場所を。
    小説を書いて、ずっと、恋い焦がれているあの子にいつ、声をかけよう・・・。
    引きこっもった自分にとって、大事な「トモダチ」を壊すことが怖い彼。
    ただ、ただ、「好き」って感情で突き進む女の子。
    「トモダチ」を作りたい、でも・・・・・の、彼。
    純情とは180度かけ離れているけど、真剣な彼女。
    冷たいようだけど、いつも、心配する彼。




    見つめている、ずっと、みつけているよ・・。

    登場人物の視線先は、一方通行。
    「いつも、みつめているよ」


    ふと、以前観た第三舞台の解散公演「深呼吸する惑星」のある場面を思い出した。
    その場面も、個々の「想う」人を見つめる。
    でも、自分が見つめる人は別の人を「想って」見つめている。
    交わる事の無い視線が切ない。


    20歳の国では
    その先が、ハッピーエンドだろうが、バッドエンドだろうが
    考えない。
    今、思う事、伝えたい事、それをする!

    そんな感情を95分の間だけども、一緒に感じられるのなら、それでいいと思う。

    だから、私はきっと「俯瞰」で観ながらも
    「没入」してしまうのかもしれない。


    今回、国王の根本役の竜史さんの役柄が良かった。
    転校してきて、彼の立ち位置がやり方ひとつで、凄ください感じになるとおもうのだが
    とても、クールだった。

    圧倒的な破壊力はやはり、チアキ役の日高ボブ美さん。
    ジョージ役(杉浦一輝さん)への、本当に好きな人に対しては、純情さ。
    全体的に客観的に周りを観ていた役柄だった気がする。


    小説を書き綴る松田役の大柿友哉さん。
    その彼を見つめるフミエ役の堀内萌さん。
    「言わない」切なさを、「言えない」切なさを・・・。

    康男役の野田慈伸さんと、輝男役の斉藤マッチュさん。
    家庭環境が複雑なバックボーンもありながら、兄弟という関係性が所々に
    じんとする場面あり。
    兄弟での、性格や行動の対比もはっきり出ていて分かり易い。

    実年齢を考えると・・・なんて野暮な事は
    言えないのが20歳の国キャスティングの妙かもしれない。

    ジョージ役の杉浦一輝さんも、「高校生」でした。
    自分の置かれたポジションに迷いながらも、「行くしかないっしょ」とポジティブにいけるのは、彼ならではの空気感がとても合っていた。
    劇中の歌も、かなり、練習されたそうです。

    中やん役の尾倉ケントさん。生徒会長でありながら、オープンなエロさをだしていて、むしろ、清々しい。
    彼が周りの友人や、後輩をとても、よく見て、フォローしている姿は
    優等生ではあるが、それだけでない、心根の温かい人なんだなと感じた。
    奇しくも、前回拝見した公演でも中学生役だったので
    連続で学生服。



    20歳の国
    真夏の祭典『サマデーナイトフィーバー』
    ​ 作・演出 竜史
    2017年8月7(月)~13(日) @すみだパークスタジオ倉
    公式サイト
    http://www.20no-kuni.com/next

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    2017/08/11 11:30

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