預言者Q太郎の一生 公演情報 (劇)ヤリナゲ「預言者Q太郎の一生」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ■80分強■
    おふざけが過ぎる感もあったけれど、脱線もちゃんと可笑しく演出されていたし、芯になるエピソードもそれはそれでしっかりと見せてくれて琴線を揺すってくれたし、イイ感じに心がほぐれた80分。
    Q太郎の3倍くらい負担のかかる大変な役を振られながらコミカルなシーンからシリアスな場面までを生き生きと演じきった永井久喜の熱演、朴訥すぎて奇人扱いされる純真青年をリアルに演じた男優X(興を殺ぐので名は秘す)の巧演に見惚れた。
    ただ、預言者の話だったかと問われれば、大きな疑問符が浮かぶ。
    預言者の物語を期待する向きには、正直言って物足らないかもしれない。

    ネタバレBOX

    従軍慰安婦としての数年の務めを終えて帰日したみちるが、昔なじみの沼で風景画を描いていたQ太郎(澤原剛生)に再会するシーンが見せ場。
    「ちゃんと話ができる人はQ太郎しかいないってようやく気づいたんだ」
    みちるの表白にも胸を打たれたけれど、それ以上にジィーンときたのが、「絵を描いてたの?」と問われたQ太郎が景色をぐるりと見回しながら満ち足りた表情でみちるに返す以下のセリフ。
    「でも、もう描かなくてもいい気がして。こうやって、見ているだけでいいんだ…」
    イエスに加えてモデルにしたという八木重吉が実際に言いそうなセリフである上、澤原剛生が口にするとこの上ない説得力があり、胸に沁みた。
    私が知らないだけで、同様のことを言っている詩が実際にあるのかな?

    0

    2017/07/23 00:17

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大