パイパー 公演情報 NODA・MAP「パイパー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    面白いのはわかってる
    野田地図にはそれ以上のものを求めてしまう。
    今回パンチがあまり効いてないような、物足りないような気がした。
    それこそロープの暴力とか、THE BEEの直接的すぎる人間性とか、
    野田にはそういったものを期待している自分がいる。
    今回はそれが足りなかった。

    ネタバレBOX

    死体を食べるっていう行為もそれほど掘下げられなかったし。
    結局パイパーが人間を殺す(?)ところも背景として流れてただけだし。
    だから今回評判がいいんだろうなぁ。
    ダークなところがあんまり無いので大衆受けするんだろうね。
    うーん物足りない。殴って欲しい。皮を切って開いて裏返して人間の醜さを見せ付けて欲しい。
    というのが感想かな。


    しかしまぁ面白いんですよ実際。
    物足りない感はあるにしても野田地図はやっぱり面白い。

    陰惨な街の状況の羅列。
    ロープのタマシイを彷彿とさせるような、力のこもったいい演技だった。
    橋詰功が別人のような豹変っぷりを見せて、物語のあらすじも火星もどこへ向かったらいいのか判らない空虚感が漂う。
    これが絶望っていうんだなぁ。
    10年前の野田地図ならここで閉幕していたような気がする。

    が、ここで一気にひっくり返される。
    彼(名前忘れた)の帰還。
    結局火星は蘇らなさそうだし、生きていくために人間を食べなきゃいけないのかもしれないし。
    なんら状況は好転してないのに彼が帰ってきたということだけでこんなにもハッピーエンドに思えるのは何故だ。
    あの状況から一気に救いまでもっていける野田の手腕。マジ天才だよあの人。知ってたけど。
    しかも彼は名前だけはちょくちょく出てたけど実際姿を見せていないのにね。
    希望(や絶望)というのは姿が見えないものだという暗喩かな。あ、幸せも。

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    2009/01/24 10:48

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