満足度★★★★
小劇場の劇団は一度は家族の「通夜物」をやる。身近でやりやすい(作りやすい)のだろうが、なんだか小劇場の人々の家庭事情を見せてもらっているような気分になる。タンバリンは中流家庭の、郊外に別宅(別荘と言うほどでもない)を持つほどの家庭のご主人がなくなっての「通夜」ではないが、「その後」もの。この劇団も長くなって、小劇場の技術には長けてきて、すらすらみられ、初夏の夜を過ごすにはいいのだが、だからどうだ、と言う小劇場の生きのよさはない。バランスはいいのだが、これからも見たいという役者もいない。こういう安定はどこは行くのだろう。作者が老後を気遣うのも解るような気がする。