満足度★★★
故障した飛行船の7日間を描いた群像劇はテラスハウスのような様相でどこかコミカル。恐怖はありますが、やり遂げられなかった夢や残した家族…つまりこの世への未練が薄く感じますし、「性欲」「食欲」が動物状態で出ることもありますが、最後まで理性が充分残っているように感じました。最初は不思議に感じたのですが、「若い人たちの時代感覚なのかもしれない」と思ったら、むくむくと興味がわいてきました。日本の未来は「落下」していくように不安だけれど、彼らは実に理性的に淡々と受け入れているのかも…それは上の世代が簡単に批判できない、現代を生き抜く合理的リアリティーのような気もします。対話の切れ味もよい(「絶対曲げちゃいけない間接曲げた」「そんな間接ないだろ」は笑いました)。劇中、レイプの扱い方には違和感が残ります。有料パンフだけではなく、当日パンフにも配役表がほしいと思いました。