ボス村松の竜退治 公演情報 劇団鋼鉄村松「ボス村松の竜退治」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ボス村松作品は時として、詩心と回想シーンが入り組んで話が分かりにくいことがありますが、今回は比較的すっきりして初心者にも勧めやすかったです。
    世界史っぽい中世ヨーロッパが舞台。当たり前のように竜が出てきますが、ファンタジー世界ではないんですね。
    これは確かに、兎亭でセット無しで観客の心にゆだねるか、帝国劇場でフライングするかのどちらかです。
    同じストーリーを別の切り口で「バブルムラマツの竜退治」でもいけるんじゃないかと思いました。

    ネタバレBOX

    騎士は姫に忠誠を誓い闘うもの。
    姫は騎士に祝福を与え、信じて待つもの。国に身をささげるもの。
    ・・・という「物語」の役割をそれぞれがなぞって演じるからこそ、
    元プロ野球選手は「騎士」、偽物の姫は「姫」でいられる。
    一生懸命に自分の役割を演じると、相手の属性がより純粋に昇華される。
    竜はそのための舞台装置にすぎないから、強ければ強いほどよい。実害など無くてよい。純粋に概念となった騎士は時空をも超える。

    ということでしょうか。演劇内のメタ演劇を見るようで構造が面白かったです。

    ラスト、父親が初めて「姫」ではなく「娘よ」と呼びかけるシーンは感動的ですが、
    そこで娘が騎士と共に行くということは、最後まで姫としての役割に殉じるということで、皮肉なものです。

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    2017/06/17 00:36

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