黄金の猿 公演情報 ワイルドバンチ演劇団「黄金の猿」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     武田 信玄に与した真田の忍び、唐沢 玄蕃は、その器量の大きさと壮大な夢に力を与える人間的な靭さ、そして己を的にさせることで、仲間を守る優しさを評され、信玄の覚えが目出度い。無論、昌幸も玄蕃のこの性格を高く評価している。(追記2017.6.21)

    ネタバレBOX

    然し、流石の信玄も寄る年波には勝てぬ。終に崩御の時を迎えた。信玄を継いだ勝頼では重石が効かぬ。織田、徳川、北条らの連合、包囲は着々と武田を追い詰めて行った。武田は終に終焉を迎えた。然し、真田は、智将昌幸の下、独自の道を歩む。
     プラグマティックでなければ生き抜けない戦国の世の論理に、どこか人間的な夢を見、それを追った者達と、時代の趨勢に呑まれ自らその走狗として生きることを選んだ者達の葛藤を通じ、人間という生き物の抱える哀しみや苦悩、宿命に対する選択と態度を鮮やかに描いてみせた。
     真田の緋縅と武勲、采配の妙と結束の固さ、そして血脈を残す為に親子、兄弟が敵味方に分かれて争わざるを得なかった時代の価値の中で、何れも最大限の成果を上げた知の勝利に関して異論を唱える者はいないのではないか? そして、その勝利に大きな貢献をしたのが、情報収集をその根本とした忍びの活躍であった。講談などにもなった真田忍軍である。猿は猿飛佐助を暗示しようが、この真田勢力と風林火山で一世を風靡した猛将、武田信玄が、プラス要素のキャラクターであるなら、長く命脈を保った北条氏と彼らを盛り立ててきた風魔一族が、マイナス方の代表ということになろうか。作品は、どちらにも過度な肩入れはしない。何れも己の信じた宿命の為に生き、その生を貫こうとした者たちとして同等の重さで描かれている。役者陣もその辺りのことはよく分かっていて、互いに役を生きていた。無論、演出もこのような表現をする為にバランスをキチンと取っている。その結果、作品にバランスと深みが生まれ、観る者を彼らの戦いの現場に連れ出す。殺陣を演じながらの唐沢 玄蕃と風魔 小太郎の命とレゾンデートルを賭けた論争も見所だ。

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    2017/06/16 02:38

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  • ほんとに良い舞台でした。真田は自分が最も好きな武将なので猶更です。

    2017/06/21 17:32

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