バージン・ブルース 公演情報 うさぎストライプ「バージン・ブルース」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    役者力とオーラの勝利。

    ネタバレBOX

    開始から間もなく明かされる特異な設定。その後は台詞運びも普通、台詞の言い方もわりと普通。場内には「うふふ」という笑いがさざ波程度に時折起こる。好意的な笑い、つまり役者個人への好意の表明・エールの笑い。・・この気分では酷評になりそうなのでしばし休息。
    二人の父に育てられた娘が結婚の日を迎える。相手の男は登場せず。二人の父と娘の三人家族が形成される経緯を描いた過去シーンが展開するが、適当感あり、役者も信じ切って演じてないというのが、敢えての演出なのか、見えている。あり得ない話ではないが、真実味を強調してもいない。
    結語として「自らステップファミリーを選んだ実践例」の価値をほのめかすオチなら、不要なシーンが多い感じがする。「ある特殊なお話」として際立たせるには、理屈が勝っている気がする。緩慢に感じられたのはそのあたりが原因だ。
    が、堂々たる小瀧万梨子のラストの真情吐露(結婚式での父父への挨拶)がどうにか芝居を成立させた。志賀廣太郎、中丸新将の冒頭のやり取りの噛みそうな芝居は、役者個人に見えても良いライブな演技モードで荒唐無稽さを中和する狙いと合点したが、それも緩慢さに加勢したのではないだろうか。全編、緩い空気だが、緩い演出ならピリリと辛い中身が欲しいし、緩い中身を表現したければ逆にタイトな演出が欲しかったり。
    もう一歩「正解」に近づけたのではないか、という感触が残った。

    0

    2017/05/28 06:55

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大