「立ちあがる花々」 公演情報 ドラゴン・プロジェクト「「立ちあがる花々」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     女性4世代の賑やかでぶつかり合いの多い生活は、大婆ちゃん、小婆ちゃん、お母さん、孫までが同居。

    ネタバレBOX

    東京の住宅街にあるマンションでの生活なのだが、流石に4世代も揃うと、それぞれの抱えてきた歴史も異なれば、社会参加の仕方も異なる。一方、血は水より濃いのか、互いに一途で負けず嫌いな性格には共通項もある。そんな女性4人が、それぞれの抱えた条件の中で如何様に生き、傷つき、記憶し、戦い、のたうち、魂の底に何かを沈めてきたのか? そしてそれらの結果の今を如何様に生きているのか? が描かれた作品といえよう。通底しているのは、今現実に我々が生きている日本に着実に忍び寄る戦争の足音、核汚染の恐怖と政府のプロパガンダに載せられ、或いは其の地から逃れられない事情から留まり「復興」への足掛かりを作ろうともがく人々への共感と連帯を求めて、一人は皆の為に、皆は一人の為にというかつて流行ったスローガンの健全な発露のようにふるまう大婆ちゃんの姿である。何故、彼女はそのような生き方に拘るのか? 何故80を過ぎて迄、辺野古に座り込みに行くのか? その答えは彼女の歴史の中にあった。彼女は信州から入植した満州開拓団の家族であった。父は教師、哈爾濱に入った。齢2歳である。然し敗戦の8月ソ連はソ満国境を越え攻めてきた。関東軍はとっくに逃亡していた。逃げ惑う民衆は或いは殺され、女はレイプされた。無論、女たちは坊主頭にし貌は黑く汚していたが、そんなことは何にも役に立たなかった。機関銃を抱えたロシア兵たちは、胸に手を突っ込んで女とみれば犯したからである。母も姉も父と大婆ちゃんの見ている前で犯された。父はまだ幼かった大婆ちゃんの目を手で塞いでやることしかできなかった。その後、満州から落ち延びる際、再度ロシア兵に襲われたことがあった。隠れていた大婆ちゃんも見付かって危うい所を姉・母が身代わりになって助けてくれたが、姉はその後、河に身を投げた。15歳であった。大婆ちゃんは復讐を誓った。ロシアとロシアの横暴を許して自分達だけは先に逃げた日本軍に対してである。
     未だに沖縄の人々の辛酸に共感し、80を超えた今も沖縄に座り込みに行くのは、沖縄では未だ戦争が終わっていないことを知っているからである。現在司法を含めて沖縄の人々の心と魂を砕こうと躍起になっている政府に理のあろうハズもなく、理を主張できるのは沖縄であることを充分に知っているからである。沖縄戦では、島民の25%が亡くなったと言われている。現在も続く占領下で喘ぐ沖縄の姿が、明日のヤマトの姿であることを大婆ちゃんは見抜いている。
     ところで、現在、皆の生活を支えているのは小婆ちゃん、近所の評判なども気になり、大婆ちゃんの正論をすんなり受け入れられない。おまけに大婆ちゃんに対して間違った記憶が原因になって対立していた。(上演中故ネタバレは此処まで)

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    2017/05/28 03:40

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