ポルカ 公演情報 劇団芝居屋「ポルカ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    今まで観てきた芝居屋のイメージに比べると、社会性が色濃くなったという印象である。確かに今までも地方都市、僻地を際立たせるような内容もあったが、もっと直裁的な描き方であった。また登場人物は基本的には善人ばかりであった。ところが今回は悪人も登場する。演じた役者も、当日パンフで「これまでにない役柄に挑んでいます!」と。
    (上演時間2時間10分)

    ネタバレBOX

    「ポルカ」という喫茶店。場内に入ったと同時に店内のようだ。上手側はテーブルとベンチ椅子(またはソファー)、壁面は大きな窓、その奥に店の出入り口がある。下手側はカウンターとスツール。時間経過を表す照明は、趣のある射光のようで印象的だった。

    梗概…東京近郊(台詞では「とよだ」)の住宅地。その一角にある「ポルカ」という二代に亘って愛されて来た老舗喫茶店がある。今、昼間だけの純喫茶では立ち行かなくなり、夜はスナックとしても営業している。ここに集まる常連客の日常生活、活動を通して市井の姿を覗き観る。不動産屋社長、保険外交員、ミニコミ誌編集者、パン屋、さらに母親を最近看取ったばかりの女性(後、探偵事務所勤務)が常連客である。

    昨今のオレオレ詐欺など、高齢者を狙った犯罪が頻発している。その被害に遭わないような取り組み(シルバーガード)、その集まる場所として、この店に白羽の矢。この地域の高齢者の割合は25%、特に団地住まいの高齢者が多いことも話題にする。この公演も東京郊外だが、現実の団地も多くは郊外に建てられている。当初想定した、若い核家族の夫婦が入居し、その後は次世代の夫婦が入居するというサイクルは起きなかった。今は高年齢者が多いと…。その現実に詐欺という社会性を突きつける。物語は、地域の名士のような元不動産会社社長が、某パーティで上品な女性と知り合って起きる騒動。

    現実には犯罪絡みであるから危険を伴っているが、そこは地域(常連客)の結束、その人情味を描くことを優先した展開である。作・選出の増田再起氏は、「現代の世話物」を標榜しているだけに、現実的な対応でないことは百も承知の上のことであろう。この劇団にとって、現実過ぎることは卑小なこと。
    なお、一樹さんの歌うシーンは一考(工夫)が必要かも…。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2017/05/27 15:51

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