クワトロリブレット 公演情報 株式会社Legs&Loins「クワトロリブレット」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    それぞれ過去に傷跡を残す、4人の男と4人の女性。
    春から物語が始まって、また次の春の訪れと共にほんの少し、
    でも確かに8人が変化する姿が心地よい鑑賞体験をもたらしてくれました。

    ネタバレBOX

    「自分の高校の教師に恋してしまい、その記憶を清算しようと
    アフリカに旅立つ女性1」「好き勝手やっているミュージシャン
    志望の弟に不快感と憧れを抱いていた高校教師の男性1」

    「鉄道自殺を遂げ、今は記憶となっているミュージシャン志望の男性2」
    「その男性と交際しつつ、今は別の男性3と結婚し、新しく母親になる
    不安を独り抱えている女性2」

    「交際相手だった男性3の子供を流産したことがきっかけで別離し、今は
    花屋の男性4と交際するも、なかなか結婚に踏み切れない女性3」「女性4と
    つかのまの結婚生活を味わうも、どこで歯車が狂ったのか、離婚してしまい、
    女性3となんとなくな関係を保っている男性4」

    「男性4と離婚後、妻のいる男性と不倫するも別れてしまい、宙ぶらりんな
    状態でいる、女性1の友人である女性4」

    …といった具合で、みんながみんなどこかでつながり合っているという連関
    関係の中で、それぞれが互いに突っ込んだ手紙を出し合うことで、過去と
    折り合いをつけていくという物語です。

    日本から発とうとする女性1を追って、男性1が空港に姿をみせた場面が良かった。
    自分に一生消えることはないであろう「恋愛」を刻んだ男性に複雑な感情を
    抱きつつ、最後は新しい場所に飛び立っていく女性の後ろ姿に、「行ってこい」と
    やっとの思いで激励する教師の心情を思って、涙した。

    女性2との間に子供が生まれそうで、近々父となる予定の男性3がうじうじとした
    手紙を女性3に宛てるんだけど、一喝されるという場面も良かったね。ああいう
    ところに、男性と女性の違いを感じます。いつまでも過去を引きずる男性と、
    ガンガン前に突き進んでいく女性と…。

    冒頭場面で、語り部の女性2が女生徒の姿をかつての自分と重ね合わせ、過去を
    懐かしむのに対し、ラストの場面ではまだ見ぬ子供をお腹の中に抱えた妊婦を
    自分と重ね合わせ、未来を予感させるような作りで〆ているのも、よくできた
    作品だなと感じさせるに十分でしたね。

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    2017/05/25 20:48

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