ジゼル 公演情報 ポポポ「ジゼル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    グリーンフェスタ2017参加作品。原作はバレエ「ジゼル」であり、それを主宰で脚本・演出を行った さいけ氏が解釈して戯曲化したもの。原作のストーリーの解釈は多岐にわたるというが、それでも概要について当日パンフに記載している。それを読む限り、展開(2幕)は原作に則したもの。

    ネタバレBOX

    京都という地の和風を表す舞台美術であった。上手・下手側の両側に階段を設け、その中央に大きな紗幕または磨りガラスがある。また、その両方にも同じような影が映り込むような紗幕がある。そこに人影が映り、登場人物以外(群衆イメージ)が祭りを楽しんでいる様子を表す。上手側には低い板柵、下手側には竹垣を配置し、和の魅せ方。

    【梗概】
    1幕目、京都の葵祭の時期。病院の窓から外を眺めている少女が、祭りの楽しさに誘われ外出してしまうが、途中で具合が悪くなる。その時、助けた男との間に恋愛感情が芽生える。しかし家柄が違うことから叶わぬ恋となる。この男には許嫁がおり、助けた娘との恋は遊びだったのか...。

    2幕目、入院していた娘は落胆し亡くなった。その墓前での舞踊(ソロと群舞)が見どころ。悲恋の原因となった横恋慕の男が、ミツガシワ(婚礼前に死んだ娘の霊)に囲まれ息絶えるまで踊らされる。その後、娘を助けた男も現れ同じように踊らされる。しかしミツガシワの女王によって…。
    成就しない恋の物語は、シェイクスピア「ロミオ&ジュリエット」のような確執(ここでは家柄)に翻弄されたようだ。

    【演出】
    1幕目はダンスという言葉のない舞台表現をどれだけ物語にその思いを描き込むか。再会を約束するために携帯電話を利用しない、その情緒ある演出に好感を持った。2幕目、物語というよりはダンス表現そのもの。1幕目の具象する物語と2幕目の抽象的な表現(舞い)とに違和感を覚えた。

    2幕目は死後の世界。彼岸と此岸の間で彷徨する霊魂、その浮遊感は”舞い”という表現に活かされていた。1幕と2幕は生死を往還するような展開ではないため、幕の間の繋ぎ目のような挿話があると分かり易かった。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/05/18 18:09

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