満足度★★★★
鑑賞日2017/05/04 (木) 13:00
私は寺山修司を作品(戯曲、舞台、詩、映像)として知らない。(人物としては、経歴などそれなりには知っているが)まあ、興味がない。なので、天動虫の公演でなければ(この劇団には「飛び火」でやられて、それ以降逃げられない)観なかったと思う。そうした個人の感想としては、それでも面白かった。
1時間がもっともっと長く感じられた。終わったときに時計を見て信じられなかった。
それだけ濃密な時間だったのだと思う。
言葉はいくら引用だとしても、それを誰がどのように使って、何を表現しようとするかによって、本来の持たせられた意味や背景を逸脱していくものだ。学術の分野でそれは許されないが、創作の分野ではそれをしないことが許されないと思う。
そうした意味では、帆足知子さんが寺山修司の言葉をコラージュし、声と身体表現で見せたのものだとして十分に楽しめた。
帆足さん自身、私が観た時点で振付が固まっていないところが幾つかあると言っていた。役者の方々の動きに取り決めがあるのは当然として、多分に各人の情動に任されているのだろう。戯曲のセリフと違い、言葉のコラージュはその日その日の感じ方が違っていくことは容易に想像がつく。そうであれば、役者同士の感情表現の相互性が、常に新たな舞台を生成しているということなのだろう。
私はそうしたパフォーマンス生成の連続が面白かったのだと思う。
感想を書かれていたzeezoさん、ちなみに別売りのパンフにも、セリフの抜粋はありませんよ。でも、ご意見はごもっともと思いました。
最期にジョニーさん、舞台共々パンフレット作製、大変お疲れさまでした。
2017/05/16 18:33
ご観劇、そして観てきたへのご感想、本当にありがとうございます!!
濃密な時間だった、というお言葉、
大変嬉しく思います。
本当に、
寺山修司さんの言葉をお借りして、
たくさんの想像をし創り上げた今回の舞台は、
普通のお芝居以上に自由であり、
その言葉に寺山さんの込めた想いや意味はあれど、
生み出されたものは毎回違ったと思います。
そして、この作品は劇団員がほぼ10代の頃からやっているのですが、その時と今回の舞台でもきっと違いますし、
お客様にどのように寺山さんの言葉が刺さったか、どんな風にこの舞台を感じられたのかもきっとお一人お一人によって違うのだろうな、と感じます。
そんな舞台を楽しんでくださって、
とても嬉しいです!
本当に本当にありがとうございました!!!