僕は僕する 公演情報 劇団天動虫「僕は僕する」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    パフォーマンス公演、と打ち韻文のような(自由)表現の断片を集めたコラージュのようで掴み難いもの。もっとも主宰・帆足知子女史はそんなことは承知しているかのように、当日パンフで「寺山修司さんの言葉に囲まれて、幸せだけど、中々手強く、過酷な闘いの日々でした」と記している。散文のような物語であれば、劇的な構造の意味、テーマを求めがちだが、ここでは寺山ワールド-詩のような台詞を紡いでいく。
    (上演時間1時間)

    ネタバレBOX

    舞台は素舞台で周りは暗幕で囲う。衣装は白基調の浮揚感あるもので、薄暗がりにボゥと浮かび上がる。どの世界という特定・限定させず、言葉と体だけで普遍的な”何か”を伝える。

    全体は「台詞」と「動作」の連動を意識した公演。役者は常時舞台におり、言葉(台詞)を言いながら体を動かしている。それは甘い言葉であり、怖い言葉、というように対照的な用い方。また鳥をモチーフに「自由」や「深淵」への解釈を思わせるような比喩もあり、寓意を思わせるものなど言葉の印象付けをする。もっとも寺山修司の原作・言葉であるから手強く、その紡ぎが難しいところ。解釈、理屈云々も大切だが、その世界観を大切にしたいところ。

    緊密な舞台空間という表現とは別の演出。動作については、アクションとも違い舞踊の類か?言葉と体の関係を目指した今回のパフォーマンス公演の見所の1つ。言葉と体で表現、どちらが後先という二者択一ではない。無条件に視覚・聴覚を刺激し、その心地良い雰囲気に身を委ねるだけで幸せを感じる。伝える言葉として、卒業時の呼び掛けのような連鎖を用い単調にさせない。動作も走り回転させ、縦・横・斜めという変化、個人技から肩・腕を組んだ集団技まで、観(魅)せる工夫をしている。

    最後に、改めて当日パンフの挨拶文…「お芝居のようなお芝居じゃないような舞台です。でもやっぱり芝居なんです。何かが流れています。それを感じていただけたら幸いです。」と、自分は楽しませていただいた。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/05/05 11:33

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  • 藤江千晶さま

    「何もない空間」にゼロから表現して立ち上げる、「嘘の世界」をその時間だけ「本当の物語」として体現する。芝居の醍醐味ですよね。
    何よりリアルタイムで、ライブだから真剣勝負そのもの。演じる役者-生身の人間と観客の身体が対峙しているところに緊張感があって楽しい。

    次回公演も楽しみにしております。

    2017/05/15 17:45

    タッキー様

    ご観劇、観てきたへのご感想、本当にありがとうございます!!
    この舞台での役者の表現方法、演出方法、世界観等、細かなところにまで気をとめて観てくださり大変嬉しく思います。

    言葉(台詞)と身体の動きを心の動きとも連動させ、それをまた表現するというのがとても難しいところでありながら、今回の舞台の普通の芝居とはまた違った魅力のひとつでもありました。

    お楽しみいただけたとのお言葉をみて、ホッとしております。

    次回公演も気合いをいれて取り組みます。
    是非、これからもよろしくお願いいたします。

    2017/05/14 23:31

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