満足度★★★★
再演と言う事で事前にDVDを観ての観劇。
自分は劇中の様な「故郷」と強く言える距離感は無いのだが、相互の「想い」がよく描かれていて、なんか、きゅんときた。
みんなが言ってる事には間違いは無く、ただそれを他者に押し付けてしまうのがもどかしい。
こじれてしまった最中に伊藤広輝役の野口裕樹さんがお酒を美味しく呑もうと言う台詞が何となく一番の「本意」のように感じた。
思う事は人それぞれで、進む道もそれぞれ、思う気持ちの分量もそれぞれ、
でも、みんなで美味しいお酒を呑む時間や、場所を共有する事が出来るのが幸せの一個の形ではないかと思った。
今作、女性陣が皆さんとても、素敵だった。
役名に季節の物を彩り、個々の魅力がよく出ていた。
上村雪役の前園あかりさん。あかりさんらしいのだが今回は観ていて、女子らしい可愛いけど、ちょっと、不器用な愛らしい役だった。
高橋美桜役の橘花梨さんは以前ミセスフィクションズの「東京につれてって」の小桜役が印象に残っていた。
渡部正人役の斉藤マッチュさん。20歳の国で拝見しているが、この方は
一件クールでぶっきら棒なのだが、実は優しく、人情にあつい、という役が巧い。
ちょっと、はにかんで笑うところなども少年ぽさがあり、不思議な俳優さんだと思う。
DVDで観た時は小林泉役は佐藤慎哉さんだったが、今回は秋本雄基さん。
物凄くこの人がもっている色合いでいうと乳白色なイメージが役と合っていた。
強く吐き出すこともままならない、でも、もやもやと葛藤している。
そんな感情の表し方が静かだけど、伝わって来た。
客演での参加
虚構の劇団渡辺芳博さん。
久々に台詞のある芝居とご本人もおっしゃっていた。
少し同級生チーム、管理人夫婦とはエリアが異なる
日比野淳役。
良い感じにおじさんポジションで、違った空気を入れ込みつつも
きちんと、劇中での田舎と都会との自分の居場所の見つけ方を泉へ伝えていたような気がした。笑いのポイントもテンポよく、甘酸っぱさもあり、約2時間だがおしりが痛くなるような事は無かった。