満足度★★★
私も新宿という街に暖かく受け入れてもらった一人です(この時代設定より少し後ではありますが)。なので、あの街の暖かさというか、なんでもOK的な感覚はとてもよくわかります。内堀さんが書きたかったのは新宿の誰でも受け入れてくれる温かさのようなものだとしたら、それはとても嬉しい事です。が、推理小説的な感覚なら、あまりにも答が予測できてしまい、物足りない。登場人物が多く、舞台上でそれが整理されていない、雑とした感じがする(新宿らしいといえばらしいのではありますが)。そして話の鍵となる女性陣の演技が物足りない。久しぶりの登場の黒藤君がかなり頑張っていましたが、まだ二段階くらいは出し切れるものが残っているような気もします。前作の出来が良かった分、今作は少しゆるく感じられたのは、私の思い違いでしようか?