『凪の砦』総収編 公演情報 烏丸ストロークロック「『凪の砦』総収編」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    濃縮した現実感が、感じられた。

    ネタバレBOX

    お芝居を見て、大きく3つあります。
    ■芝居の熱量
    ■颯爽とした感じ♪
    ■身体表現と豊かさ
    それでは、いきます。
     
     
    ■芝居の熱量
    ストレートに伝わるものがある。
    心地よいセリフの音量。なじみある身のこなし。
    まるで、ぜい肉のない、しぼった身体みたいに。

    伝えたい分だけを、キチンと伝えきる演技。
    ここまでくるのは、並大抵じゃないと思えた。
    バランスがいい。そう書けば理解しやすいだろうか?
    大きな声でなくても、声が通る。滑舌だけでなく、母音が聞き取りやすい。

    舞台セットは、シンプルなもの。でも、視線や立ち振舞いが、場所や思い入れを想起させる。
    BGMやパフォーマンスに頼らない、芝居本来の熱量。抑えながらも熱い気持ちが、上質な空間を作り出していた。
    (アコースティックギターや風の音も、腑におちた)

    物語も、役者も生きている。直感で、そう感じる。舞台上には、濃密な時間が現されていた。
     
     
    ■颯爽とした感じ♪

    役者は、よどみなくキャラで居続ける。
    タイミング待ちする様子もなく、時が過ぎていく。
    「颯爽」としか呼べない♪

    同時多発にしゃべり始めるシーンも、それぞれがそれぞれの時間を見せている。バラバラの動きなのに、水の波紋みたくキレイだ。
    波紋が重なり、縞ができる。大きくみたら、動きの中の調和みたいだ。

    今回は、総収編らしい。
    しかし、寄せ集め感がない。
    日常風景があり、エピソードになる。
    ある時の景色が、目の前にある不思議。
    いっしょに体験している感覚が、つきなかった。

    イイね♪
     
     
    ■身体表現と豊かさ
    映画のシーンを切り取ったのか?
    そんな錯覚を、冒頭に覚えた。

    跡地にたたずむ二人。
    風だまり、凪の砦。
    舞台道具のちぢれ紙が、枯れ草の音を立てる。
    立つだけ。立ち位置だけで、何かを想像させていた。

    また、日常シーンも、セットなしで棚や水道、座る人、ありし日の風景を描き出していた。
    パントマイムというより、しぐさの強調。

    例えば、箱があるから、中に何かを入れられるように。
    しぐさがあるから、何かが始まることを予感させられた。
    見えないはずのもの。過去の記憶。熱に浮かされたように、吸い寄せるものがあった。

    人柄がかもす魅力ではなく。表現の積み重ねが引き寄せる何か。
    確かに感じる。言葉にはできない想いを、表現しているんじゃないか。まだ、つかみきれない。
    今はただ、豊かさと呼びたい。
     
    ※蛇足だが、アフタートークでは「能を意識した」とあった。能の幽玄さは、狐が化かしたような感触もある。
    また、劇中には、神楽(かぐら)を踊る演出もあった。
     
     
    ■雑感
    図師さんは、舞台上で景色になっていた。
    独特の「没入感」を知るからこそ、演技の幅と深さが増していると分かる。

    座組みの一体感が、あの芝居の充実感につなげたのか?
    物語もさることながら、オモシロイ体験だった。

    違う面も、ぜひ観てみたい♪

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    2017/04/22 10:17

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