満足度★★★★
本公演はテーマ性を強調した物語。「劇団演奏舞台」は試作という公演は観てきたが、今回はアトリエ:九段下GEKIBA開設5周年記念(公演77)だという。
パンフレットには、主宰・代表の浅井星太郎氏が「あの日-2011年3月11日。大震災・原発事故から6年が経ちましたが、未だに真実は「闇」の中…。」と記している。この「闇」を「太平記」の中にある「広有射怪鳥事(ひろありかいちょうをいること)」に想を得た本作は、今の日本の混沌とした状況を隠蔽(闇)として描く問題作のようだ。
登場人物はわずか5人。問題となる地域に暮らす人々と、この地域に興味を持った研究者の目を通して「いつまでの森」に潜む闇_その社会背景を透徹した視線の先は将来の日本の行方を見据えるようだ。
(上演時間1時間35分)