治天ノ君【次回公演は来年5月!】 公演情報 劇団チョコレートケーキ「治天ノ君【次回公演は来年5月!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2016/10/30 (日)

    3年前の初演時、各方面から絶賛された作品ですが、自分にとっては、今回の再演舞台がお初! 昭和世代のオイラ、特段の予習もすることなく、明治・大正・昭和の3代の天皇に関する、既知の「常識」のみをもって、拝見させてもらいました。

    ネタバレBOX

    でもって、もちろん「舞台作品」ですので、「虚実ないまぜ」なのは承知の上で、本作で描かれた「大正天皇」について、なんですけど…。

    厳格な父親(明治天皇)の下、周囲の過大な期待(と干渉)に押しつぶされそうになりながらも、国民に、そして妻子に対しても、恐れ奉られる「現人神(あらひとがみ)」ではなく、親しみをもって接する「人間」たらんと欲した方。

    生来の病弱な体質故に、晩年、重篤な心身の病に侵されながらも、「天皇」であることの重責を果たさんと体力・気力の限りを尽くされた方。

    大正天皇の理想と苦悩の半生を、皇后や長男である皇太子(後の昭和天皇)、大臣や側近たちの目を通して描いた2時間20分。心が震えました。中盤以降は客席の暗がりをいいことに、目から涙の流れるままになりました。同じ一人の人間として…。

    おはなしが進むにつれて、西尾友樹さん、松本紀保さん、といった演じ手の影が消え、舞台に立っているのは、まさしく大正天皇やその皇后その人に思われました。
    「迫真の演技」の「迫真」さえ超えた瞬間…この歳になって初めて実感した舞台体験となりました。

    唯一、不満な点。三軒茶屋・シアタートラムの舞台はちと広過ぎたかな?
    やはり、初演時の下北沢・駅前劇場のような、濃密な空間の方が相応しい「密室劇」だと感じましたので。

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    2017/04/19 00:54

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