在り処 公演情報 演劇ユニットどうかとおもうプロデュース公演『在り処』「在り処」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/04/18 (火) 14:00

    だるま座の剣持直明さんしか知らなかったので、それ目当てで行ったが
    力のある役者さんが隙の無い舞台を見せるので惹き込まれた。
    冒頭、前説の清水大将さんが暗転の後、さっきのいで立ちに帽子を被っただけで
    空巣の役で登場してくるのが面白い。
    笑いながら観た後に、老婆の底なしの孤独が見えてくる。

    ネタバレBOX

    平日の昼間、小さなギャラリースペースには椅子が増設され客席は満員。
    舞台は畳敷きの老婆の居間、剣持さんが台の下に横になると、
    その上からこたつ布団がかけられ、新聞紙やペットボトルなどが巻き散らかされる。
    雑然というより、ゴミだらけの混乱した一人暮らしの老婆の部屋が完成、
    ここまでを最初に見せてしまう。
    物語は、ここに空巣(清水大将)が忍び込み、まず見つけた印鑑をポケットに入れ
    通帳を探すところから始まる。
    こたつの中に老婆が居るのを発見して互いに叫び声をあげるが
    息子と勘違いされた空巣は、そのまま息子として通帳を探し続ける…。

    少ししんどそうな老婆の立ち居振る舞いがリアル。
    通帳が見つかったらさっさと帰ってしまう息子を引き留めようと
    ポケットに隠して見つからないふりをする心が切ない。
    空巣が、見つけた通帳を一度は放棄して、盗まないのか…?と思わせる展開が秀逸。
    結局通帳を持って出ていく空巣の表情が、侵入した時と全く違う。
    母親に次々と金を出させるダメ息子と、自身も金に困っている空巣が見事にダブる。

    そこに入ってくるボランティアの学生(松村紗瑛子)も上手く絡んで楽しい。
    空巣を息子と思い込んで説教しまくるところが良い。
    滑舌も良く勢いもあって、男2人に引けを取らない存在感を見せた。

    ただこの設定でこのキャラなら、もっといろんなことが出来そうな気もする。
    ”切なさ”とくすくす笑いだけでなく、もっとどかんと泣いたり笑ったり
    大きく揺さぶってくる出来事が欲しいと思うのは欲張り過ぎか。
    品よく振れ幅の小さいところに若干の物足りなさを覚えた

    姪が借金したくて訪ねてくると解っていても、ひとりでいるよりは良い。
    新聞読んでご飯食べて散歩して新聞読んでご飯食べて寝る…だけよりは良い。
    その現実を息子も、息子のふりをする空巣も、ボランティアの学生も
    変えることは出来ない。
    ただほんの一瞬かかわって、また去って行く。
    その一瞬を、ほとんど渇望している如き老婆の心が、台詞ににじんで切ない。
    ラスト、底なしの孤独がくっきりと刻まれた背中が素晴らしかった。



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    2017/04/18 23:25

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  • 剣持直明様
    ご丁寧にコメントを頂き、感激です。”おばあさんと珍客シリーズ”になればいいのに(笑)
    また、楽しみにしています(*^^*)

    2017/04/29 23:11

    ご観劇いただきまして、ありがとうございました。
    とても丁寧に書いていただき、ありがとうございます。
    励みになります。
    今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

    2017/04/28 07:02

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