満足度★★★
鑑賞日2017/04/08 (土) 13:30
初めての中目黒。なにかイベントがあるらしく、駅前は大量の若者であふれかえっている。
へー、結構都会の中目黒。劇場に向かうまでの商店街は、なかなかのおしゃれな店が続いている。
帽子、輸入雑貨、ブティック、おしゃれな居酒屋・・・ただ残念なことに古本屋は見あたらない。
さて、歯医者の脇にある階段を下りて、思ったより広い受付のスペース、思ったより狭いホールのウッディシアター。
1番前の左側。私の好きな座席のエリアに落ち着く。
中堅企業の新人研修。山奥の寺での修行の風景だ。
予想していた通り、非人間的な殺人的研修と、その癒しとなる、もう一つの世界。
この2つが絡み合って劇は展開していく。
俳優さんの演技は、テンポも歯切れもよく、うまく私たちを笑いに誘ってくれる。
1人1人の役者さんのレベルは高い。
研修の過酷さよりも、展開と演技とでの「面白さ」が印象的な1時間45分だった。
私も、その都度、くすくすと笑いながら最後まで飽きずに観ることができた。
しかし、しかしだ。
一言で感想をまとめると、「何も残らなかった」のだ。
「企業研修」と聞いて、その残忍さが登場することは予想できた。さてその後で、どう「落とし前」をつけるのか、興味津々であったが、私の予想は完全に裏切られた。それはそれで「意外性」としてかまわないが、それが残念なことに「失望させる」ものだったのだ。
一応、社会的なテーマを選んだ以上、それを劇団としてどう考え、どう観てほしいかというものがあるだろう。
それが感じられなかったのだ。
「研修」を素材にした、「人情」と「笑い」の劇だったのだ。
と考えるしかないだろう。
ネタバレに限りなく近くなったが、後始末を「個人」にしてしまった。
観た方以外分かりづらい表現になるが、「あの人も企業による被害者」なのではないか。
そこに収斂してしまったために、研修という「社会的事象」の善し悪しが、個人のレベルのものとなってしまった。
劇の見方はそれぞれでいいが、私には「終わらせ方」が大いに不満だった。
2017/04/13 20:26
社会問題を取り入れつつ、笑いを含めて作品を作り上げる…難しいですが私たちが目指している作品作り、これからも精進してまいります!
観てきた!クチコミありがとうございます。またのご観劇おまちしております。