いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した 公演情報 ロロ「いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    4つの小作品を通して、架空の高校、その生徒たちの日常が浮かび上がります。なんでもない会話やしぐさから、ここにはいない人、どこかで起こったこと、もう過ぎてしまった時間を想像させるという目論見は、高校演劇のために書かれた戯曲としてとても面白いし、やりがいもあるでしょう。また、仕込み、開演アナウンスなど、高校演劇のフォーマットに則った進行も楽しめました。

    私は③「すれ違う、渡り廊下の距離って」と④「いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した」を観劇しましたが、特に③の舞台が「放課後の渡り廊下」という、いわば「端物」な時間、場所に設定されていることに惹かれました。思い起こせば確かに、当時はむしろ、そこが自分たちの時間のメインだったのかもしれません。

    さて、審査対象となった「いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した」ですが、こちらは女子生徒3人によるうわさ話を軸に進む恋の終わりと始まり(?)の話です。彼女たちのかしましさと、そこにふと訪れる一人の時間、沈黙、甘酸っぱい感情の発露は、(たとえそれが「大人が考えた女生徒」だとしても)微笑ましいものでした。ただ、感情的なクライマックスが一人の場面に訪れる、というのは、表情、目線でそれを見せるしかないという難しさも孕んでいます。一人芝居で正面切って虚空に語りかけては笑ったりする、時にはそのことが賞賛されてしまうような居心地の悪さ、不安をまったく感じなかったかというと……。

    随所に顔を出すカルチャーネタは、それぞれの漫画や映画や歌がエバーグリーンなのだとしても、必ずしも現在の高校生のリアルと響きあうものではないでしょう。二次創作もOKとのことですから、現在進行形の「いつ高」も見てみたいと思います。その時盛り込まれる新たなネタはきっと、ロロ版のそれとは異なる匂い、異なる文脈も背負っているに違いありません。

    こうして考えてみると、改めて、このロロの「いつ高」は、もう高校生ではない人たちによる、甘酸っぱい「高校演劇」「高校生活」讃歌なのだと思います。では、そうした「思い出」「過ぎ去ってしまった時間」をまだそれほど持ってはいない現役の高校生たちが、演じるとどうなるか、やはり一度見てみたいです。

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    2017/03/18 06:20

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