その先にあるモノ 公演情報 デッドストックユニオン「その先にあるモノ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    知っているようで案外分からない日本有数の歓楽街・歌舞伎町。その裏社会で蠢く人々を生き活きと描いた、群像劇のようであった。
    (上演時間2時間15分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、歌舞伎町にある探偵事務所。しかし表向きの稼業とは別に不動産仲介、派遣風俗を行っている。上手側には事務所応接スペース、バーカウンターが設えてある。下手側は和室、押入れがあり二面分割したような作り。中央にトイレドアがあり他の空間があることをイメージさせる。
    上手側壁には、額縁に入った「死して屍拾う者なし」というTV時代劇「大江戸捜査網」で有名なナレーションが掛かっている。

    登場するのは、フィリピンのハーフ、タイ、モンゴル、在日韓国人など東南アジア系の訳あり人物。そして日本人のヤクザ、アイドル追っかけ、占い師など、こちらも一癖ふた癖ある者たちばかり。多くの登場人物のキャラや立場を鮮明にするためこのような出色にしているようだ。

    日本のそれも闇社会の中で翻弄され彷徨い漂流している人々。しかし明るく前向きな姿が救いであり、全体として喜劇風に仕上がっている。特に日本への出稼ぎ外国人は、誰もが精一杯生き、遠く離れた異国故郷へいつか帰り夢(親孝行など)を叶えたいと。
    物語は、訳あり女性の依頼ごとから、そこに居る外国人たちを巻き込んで泣き笑いの人情話へ展開して行く。前半は登場人物や事務所の生業を紹介し、中盤以降に主筋として展開する女性からの依頼を契機に騒動が起きる。分かりやすい展開であり、物語を牽引するモンゴル人の思惑も何となく理解出来そう。

    ラスト…以外な展開、盛り上げのため警察機構が登場する。視点は違うが、昨年(2016年)公開された映画「日本で一番悪い奴ら」を思い出した。違法捜査、覚醒剤密売・同使用で逮捕された現職警部の事件を題材にしていた。裏社会との癒着などが扱われていた。その意味で題材としては注目度も高く興味深いが、それゆえ、ありきたりで表層的な描き方では物足りないと思った。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/03/17 20:48

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