OVER THROW 公演情報 SPINNIN RONIN「OVER THROW」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    あまり得意な分野でなく、趣向になれるまで時間がかかった。そのため、前半の最後にやや眠くなった。しかし、後半は、アンドロイドを演じる三人の女性ダンサーの動き、切れに眠気も吹っ飛んだ。あとは、終末まで一気におもしろい流れ、息を呑む展開に圧倒されるばかり。気がついたら、ふたりにつられて、スタンディングオベーションをしていた。

    実際におもしろかったのは、人工知能の問題ではなかったともいえる。才能ある将棋屋が、ギャンブルに身を滅ぼすくだり。あるいは、ラーメン店員になっても、ちっとも自我を殺すことができない場面。共感が持てた。

    ほんとうのところ、人工知能が将棋界はぶっつぶすのかもしれないが、社会全体をこわすとは思われない。その前に、人類が滅亡するのは時間の問題だと書いた文章に心がむかう。おもしろい演劇だと感じる。

    主役が、ぼくはパフォーマーで、役者じゃないけどと本音を言っているのもなんかわかる。それで良かった!その方おもしろい。そんな気がするのだ。

    ネタバレBOX

    コンピュータが進むと,将棋・碁の世界には,どのような影響があるのか?

    対局というのは,かつては,個人の獲得した知識とか,もって生まれた天才的・動物的直観などで,その道の名人と言われる世界だったと思われる。ところが,パソコンのすべての過去データが膨大に集積されていくと,その精度がめっちゃあがっていくと,それは当初予測されたアンドロイドではなくなってしまう。

    人口知能はどのような人間も防衛し,叩きつぶす。だから,すでに,対局のたびに人間が勝ったとか,ときどき負けた・・・とかなる段階で恐ろしく,将棋屋にプレッシャーとなっていく。気の弱い人は,対戦相手の向こうに,かつての100人名人が見えてふるえてしまう。

    なんとなく,こんな世界は想像できるが,この恐ろしい演劇は,ダンスとか,パフォーマンスで見事に揶揄し,嘲笑している。

    私見だが,前半はもっと簡潔にした方がいいかもしれない。

    後半の展開は素晴らしかった。とても楽しい演劇だった。

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    2017/03/13 22:24

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