淵、そこで立ち止まり、またあるいは引き返すための具体的な方策について 公演情報 カムヰヤッセン「淵、そこで立ち止まり、またあるいは引き返すための具体的な方策について」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    開演時間を守るような導入にしても
    単純な感じにとれる舞台セットにしても
    3人芝居ながら上手に4人目をかもし出し
    なかなか琴線に触れるテーマを上手に表現していたなぁと思えました
    誰にでも起こりそうな感じでの
    話の展開は引き込まれたなぁと・・・・
    100分ほどの尺であります

    ネタバレBOX

    平たく言うと~
    認知症となった母の介護に疲れた息子が心中し
    生き残った息子を取り調べる警官3人もまた
    さまざまな生活事情を抱えながらも生きているんだという話
    少々ズレたかな・・でもまぁこんな感じ

    生活保護を受けようとするがハネられ
    生活に困窮しながらも
    世間様に迷惑をかけまいと心中という結果を選ぶ被疑者家族・・・
    他に道=手段や相談も出来たのでは・・とは
    後になって言えること
    視野狭窄に陥った人間には選択肢は少ないよなぁとも納得
    借りていたアパートをきれいに掃除して
    なけなしの所持金だけ持って死地にいたる母子のくだりは感涙ものでした・・・

    開演時間に主宰が開演するまでの時間つなぎと
    そうみせての本編導入への語りへと繋げる手法は見事であったが
    その境目がわかり易かったかなぁと
    (喫煙?がバレて学校にて謹慎させられる話とか)

    被疑者は透明人間=足の怪我で車椅子使用=無人の車椅子に語りかける手法です
    ですが時々被疑者の語りをメインの芝居場よりもズレたとこにて
    場外にいる役者に語らせるという手法も理解はし易かった

    自分は11時開演の回を見ましたが
    14時からのクラシックコンサートに行けたので
    開演時間としては嬉しいと感じました

    主宰曰く
    昨今は週末=土日の夜の回は観客入りが悪いそうです
    ふ~むとラーニング(^-^)

    あと劇中BGMでバグパイプの音が珍しかったですわ

    取調室と事件現場等がシーンのメインでした

    事件調書をとるので被疑者からの状況や動機の自供をとるのですが
    48時間以内の調書作成としないと
    脳内オリジナルストーリーが作られるという背景があり
    なんとか時間内に事件の真相を調書にまとめたい3人の刑事と
    透明人間な尊属殺人被疑者・・・

    事件は河川敷の木のそばに車椅子に乗った老婦人の刺殺体と
    自刃にて手足に傷を負った中年男性が倒れているのを通行人が見つけて
    殺人事件として被疑者=片山が怪我を粗方修復されての
    尋問開始で物語は進んでいきます
    口の堅い片山に刑事の一人=辻は事件のストーリーを作り上げ
    自分の思考の通りに調書をとるのですが
    同僚の小島は強く言えないのだが
    上司?ベテランらしい北川刑事は事件の真相を48時間内に突き止め
    調書をまとめるのでした・・・

    認知症の進む母親のために仕事を辞め
    収入も無くなり生活保護も受けられず心中することになる過程が
    ほんに感涙ものでした

    3人の刑事たちにも
    北川は高校生になった娘の素行が悪くなって・・
    辻は子供が生まれての出産ブルー・・(?)
    小島は片山と同じく母親の介護にあたっているという
    生活事情が語られていきます

    奇声を上げる母親が
    まとな思考時の相談で
    家に吼える室内犬がいるのでと近所に謝るようにしようとしたり
    周囲に認知症だからと哀れんでみられる事に耐えられないからと
    秘密にしていた事も事件の要因であり
    自分なら言えるだろうかと考えさせられる脚本になってました

    母には500万円の保険金がかけられていたが
    借金は無くギャンブルなどもしていなかったなど
    背景も丁寧に描かれていました

    背景のモニターに事件の発生日時や
    取調べの残り時間などが表示されます

    ラストは事件の判決日の表示で
    判決は・・・オープエンド~観客に判断をまかせる余韻のある〆かたでした

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    2017/02/19 21:51

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