満足度★★★★★
作者は同じでも演出が違うとやっぱり世界観が違って見えるもの。
しかし舞台上の心地よい疾走感は変わらず、天動虫に灯る温かい心はそのまま。
劇団創設5周年、満を持して舞台に上がった主宰の帆足さん。
お世辞にも抜群にうまい演技とは言わないが、
これまでの天動虫公演の根底にある女の意地と芯の強さ、
仲間への愛と思いやりをガッツリ表現していた。天動虫の心を感じる。
また、マジに照明にぶつかるワダタワーさん、色摩そのもの藤田さん、存在感が衣を纏う平野さんなど、毎度魅力的な役者さんが登場するのは天道虫の楽しみの一つ。
特に前作「飛び火」の透明感あふれる少女と2回転半回った小うるさい藁科さんを演じた鹿又さんや、ほぼほぼ常連で滑稽な女の子を地で行く温井さんなど素敵な人材を引き付けるのも持ち味か。
素敵な歌で締められたエンディング。客だしで配られた歌詞カードを片手にボソッと口ずさみながら帰途につく。