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アルシェ提携公演「
誤解
」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10491)
満足度
★★★★★
昨夜に続き2度目の観劇である。
ネタバレBOX
兎に角、目が離せない。照明、音響の効果も良い。無論、カミユの原作も良いのだが、僅か丸1日の出来事を描いてこれだけの問題を提起してくる作品はザラにはあるまい。発表当時より、今の時代の方が今作の意味する所が解り易いのではないか? というのも、カミユはアルジェリア育ちの白人であるから、フランスに戻ればピエノワールとして差別され、アルジェに戻れば支配階層として忌み嫌われる。アイデンティティティー確立に苦労せざるを得ぬ立場だ。
日本で言えば、在日の人々、アイヌの血を引くマイノリティーや沖縄のウチナンチュー、シマンチューなどのマイノリティーのデペイズマンを想像してみる時、我らにもその辛さ、苦しみの厳しさに近いもの・ことが想像できると言えるかも知れない。更には公害、原発人災の被害者も似た立場に置かれていると言えよう。
マルタの科白にあるように、公正を欠く条件下に置かれた人間が(予め決定された)マイナス要素から自立するのは容易なことではない。それは、マリアが夫の死を型どおり嘆くこととは次元の異なる苦しみである。のちにサルトル・カミユ論争で決定的となる人間存在の根底に関する二人の認識の差は、今作に端的に表れていると見ることができよう。その分、各俳優の演技論にも本質的な差異を如何様に劇化するか? という問いとして現れてくるであろう。恐らく正解はない。在るのは唯闇夜で目が効かず触覚や嗅覚聴覚や味覚など視覚以外の感覚を総動員して正しい方向を模索しようとする原存在の不定と何ら支えも無く宇宙に漂うエパーブとしての存在、それを屹立させようと足掻く精神の葛藤である。
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2017/01/29 23:11
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