RS(2017年版) 公演情報 演劇制作体V-NET「RS(2017年版)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    自分では、既知したような物語であり、公演の最大の魅力は演技力だと思った。もちろん、脚本・演出も面白く巧みであるが、それを体現して魅力を引き出すのはやはり演技であろう。柴崎道場には初めて来たが、このアトリエではしっかり演技を磨いている、そんな感じを受けた。

    仮定が事実を生み出してくるが、それが真実であるかどうかは分からない。なりきり人物の視点から見た、その主観が変形し客観的に形成されてくるような怖さがあった。
    パンフレットには井保三兎氏の渾身の作とあったが、話のイメージと演出手法はそれぞれある内容を思い出すが…。
    (【Aチーム】 上演時間50分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、真ん中が直方体の空間イメージで、床(白い)は少し窪んでいる。周り(黒い回廊のような)はそれを支える支柱。この支柱の間隔が狭ければ「檻」といった感じである。

    冒頭、白衣を着た女性・阿笠(江崎香澄サン)がワゴンを押して場内へ。その衣装と”実験”という言葉から医療・研究施設のような印象を持つ。しかし直ぐになりきり人物による某事件の検証を始める。プロファイリングした人物像、その家族関係を仮に置いて、事件を確認するような内容は緊迫感に溢れていた。
    この件は、設定こそ違うが、ある立場と役割を持たせた時、人(感情)はどのように変わるのか。スタンフォード大学の心理学実験を思い浮かべる。大学・心理学部で刑務所(実験監獄はスタンフォード大学地下実験室を改造)を舞台にして、普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、役割に合わせて行動してしまう事を証明しようとした実験。大学生などの被験者を看守役と受刑者役にグループ分けし、それぞれの役割を演じさせた結果…。

    また劇中、真っ暗にし数分間は聴覚に集中させる演出があった。これは某興行の暗闇劇を思い出す。この暗闇劇(商標登録)の演出支援方法は特許を得ているものである。もちろん全編暗闇で、本公演のように一部シーンのみ暗くするのとは違う。

    この脚本と演出については、既知(視)のような気がしていることから、どう臨場感を盛り上げるかという演技力に注目した。役者陣は、実験としての劇中劇キャラクターとしてなりきり観応え十分であった。

    気になった点が2つ。どちらも自分の思い違いかも…。
    ●成りきり人物のうち、刑事とストーカー(女性)はどのような経過または理由で登場することになったのか。その役割がはっきりしない。他の登場人物は罪の軽重はあるにしても囚人とのこと。よって収監先からこの実験場(室)へ来ているようだが、先の2人は? 
    ●ラスト、森先生(中川悠史サン)と阿笠の素に戻ったような緩い会話(森先生役の本名、苗字ではなく名の方を知っているか)は本編に関係していたのか。それとも重い雰囲気を和らげる演出であったのか。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/01/25 19:38

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  • タッキー様
    お返事遅くなってしまい、すみません。
    改めまして「RS」ご来場ありがとうございます!!
    事細かなご感想もすごく嬉しいです!!
    劇場での公演へと繋がるアトリエでの公演を充実させていきたいと思っておりますのでよろしくお願いします!!

    2017/02/27 00:42

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